2023 Fiscal Year Research-status Report
Efficient Design Method of Wireless Power Transfer System through Simultaneous Optimization of Wireless Coil and Circuit Systems
Project/Area Number |
23K13314
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 佑樹 青山学院大学, 理工学部, 助教 (00966004)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ワイヤレス給電システム / ワイヤレスコイル / インダクタ / モンテカルロ木探索 / 最適設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
ワイヤレス給電システムは、インバータ、マッチング回路、整流器等から構成される回路系とワイヤレスコイルの磁気系から構成されるが、その最適設計の際には回路系と磁気系は同時に設計が行われておらず、設計者の知見と経験をベースに段階的に設計が行われている。一方で、ワイヤレス給電系の効率は、さまざまな回路系やワイヤレスコイルの要因により決定されるため、システムレベルでの効率の最大化が求められる。そのため、現在の設計において、ワイヤレスコイルの解析・設計精度の点からも、ワイヤレスコイルの限界性能を引き出すことができているかは疑問が残っており、本研究では磁気系と回路系の同時最適化により、ワイヤレス給電システムの限界性能を引き出す設計が可能であるかを研究している。 本年度は、以下の2点に関して検討を行った。 1.ワイヤレス給電の磁気系であるワイヤレスコイルの高速設計法に関して検討を行った。均質化と呼ばれる方法を用いることにより、ワイヤレスコイルで多く使用されている細線が束ねられているコイルの高速解析法の提案を行った。この方法を用いることにより、ワイヤレスコイルの高速設計法の提案を行った。 2.回路系に含まれる磁気素子であるインダクタの最適設計に関する研究を行った。従来までは多くの組み合わせから設計者の経験と知識でインダクタ設計を行なっていたが、本研究ではAI技術の一つであるモンテカルロ木探索を用いることにより、インダクタの最適設計を行なった。これにより、従来設計されたインダクタと比べ、効率を維持しながら、50%以上のインダクタの小型化が達成できた。 次年度以降は、回路系と磁気系の同時最適化に基づくワイヤレス給電システムの高効率設計を行う。2023年度に開発した方法に回路系を組み合わせることにより、同時最適化法の開発を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、主に以下の2点に関して検討を行った。 (1)ワイヤレス給電コイルの高速解析法の提案, (2)モンテカルロ木探索を用いたインダクタの設計法 (1)ワイヤレス給電の磁気系であるワイヤレスコイルの高速設計法に関して検討を行った。ワイヤレス給電コイルの解析は3次元的な形状を有しており、かつ細線が束ねられている構造となっていることから計算時間が非常に長大となることが知られている。そのため、代表者らは均質化と呼ばれる方法を用いることにより、ワイヤレスコイルで多く使用されている細線が束ねられているコイルの高速解析法の提案を行った。また、均質化法を用いた最適化法を提案し、100倍以上高速に最適化を行えることを示した。 (2)回路系に含まれる磁気素子であるインダクタの最適設計に関する研究を行った。回路系に含まれるインダクタはサイズが大きくかつ損失が多いことが問題となっていた。そのため、効率を最大化にしながら、小型化が求められていた。一方、従来までは多くの組み合わせから設計者の経験と知識でインダクタ設計を行なわれており、最適な設計がなされているかは疑問が残っていた。そこで、本研究ではAI技術の一つであるモンテカルロ木探索を用いることにより、インダクタの最適設計を行なった。これにより、従来設計されたインダクタと比べ、効率を維持しながら、50%以上のインダクタの小型化が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、本研究の目的である磁気系と回路系の同時最適化に向けて、検討を行っていく。2023年度に開発を行った高速解析手法とモンテカルロ木探索に基づいた最適化手法を組み合わせることにより、高効率な最適設計法の検討を行う。これにより、同時最適化とこれまで行っていた段階的な最適化手法との比較を行い、本手法の有効性を議論する予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度に参加を予定していた国際学会へ参加できなかったため、差額が生じている。2024年度のワークステーションの購入と国際学会参加に割り当てる予定である。
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