2023 Fiscal Year Research-status Report
液体・気体分野の技術を組み合わせた新たな液化ガス流量計測システムの開発
Project/Area Number |
23K13345
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
竹川 尚希 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (20828157)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 流体工学 / 流量計測 / 低温流体 / 液化ガス / 低温用流量計 / 不確かさ / 計量トレーサビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
世界経済の持続的な発展には、エネルギー供給と環境問題のバランスが重要である。クリーンエネルギーの社会実装には、輸送および貯蔵コストの低減が必要不可欠であり、液化水素、液化アンモニア、液化メタン、液化二酸化炭素、液化天然ガスなどの液化ガスは、効率的なエネルギーキャリアとして注目を集めている。液化ガスの取引量を高精度に把握する方法の一つとして流量計によるモニタリングが考えられるものの、低温流体を用いた実流試験が可能な環境は世界的にも数少ない。そこで本研究では、液化窒素を対象とした、秤量システムと差圧制御に基づく低温流体用流量試験設備を開発する。 試験設備上流側には、最大秤量300 kg、最小表示1 gのはかり1が設置されている。はかり1には、HeガスボンベとLGC1が載せてられており、LGC1内のLN2をHeガスで液面加圧し、押し出すことで、LN2の流れが生じる。はかり1での質量減少量を経過時間で除すことで、LN2の質量流量が求められる。試験設備下流側にもはかり2とLGC2が設置され、押し出されたLN2はLGC2に流れ込む。上流側と同様に、下流側においてもはかりの質量変化から質量流量が計算される。 本実験のユニークな点は、はかりとLGCの組を上流側(押し出し側)と下流側(受け取り側)の両方に設置しているため、上下流で独立した質量流量を計算できるところである。質量流量が約3 kg/min~10 kg/minでの試験結果として、安定状態における温度の相対標準偏差は最大0.1 %、上下流で計算した質量流量の差は最大0.2 %であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度において、安定した液化窒素の流れを発生させる低温流体用流量試験設備を構築した。液化窒素の質量変化から計算される質量流量についても、上下流で良好に一致しており、当初予定していた進捗状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の展望として、上下流で計算される質量流量の不確かさについて算出する予定である。また、環境条件下の水で校正された流量計を低温環境下で再校正し、外挿された温度条件が流量計の校正精度へ与える影響について検証する。
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Research Products
(1 results)