2023 Fiscal Year Research-status Report
高速・高精度なセンサレス反力推定による脚車輪型移動ロボットの高運動性能化の実現
Project/Area Number |
23K13357
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
永野 健太 東京理科大学, 工学部電気工学科, 助教 (60874584)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脚車輪型移動ロボット / 反力推定 / モーションコントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化に伴い減少する労働人口に代わる新たな労働力としてロボットの活用が進んでいる。特に、ロボット自体が移動して作業を行う移動ロボットには、平坦な環境や階段のような離散的な環境などの様々な環境に適応して効率的に移動できるという点で脚機構と車輪機構を有する脚車輪型移動ロボットが有効である。本研究課題は、脚車輪型移動ロボットが環境に適応して移動するための高い運動性能の実現を目的とする。この目的を実現するため、脚車輪型移動ロボットの車輪機構においてタイヤの周波数特性が外部から加わる力に応じて変化することに着目し、車輪と移動環境の接触点における反力を車輪機構の周波数情報に基づき推定する手法の高速化と高精度化を行う。そして、推定反力による移動環境からの反力情報を利用することで、環境に対応した動作が可能な運動生成方法の開発を目指す。 本年度は、周波数情報からの逐次的な特徴点の取得方法の開発、および、広い範囲での反力に対応したモデルの開発の2点を行った。 反力推定の高速化のために、周波数情報の計算方法を検討し、推定に用いる特徴点の逐次的な取得方法の開発を行った。周波数情報の計算に周波数領域への変換に長い計測時間を要さないスライディングDFTを用いることにより、周波数情報から逐次的な特徴点の取得が可能であることを確認した。 反力推定に用いる推定用のモデルが推定精度に関わることから、広い範囲での反力に対応したモデルの開発を行った。モデル生成に用いる特徴点の領域を拡大し、非線形近似モデルとすることで、大きい反力が発生する場合においても推定が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、センサレス反力推定の高速化に向けた特徴点の取得方法の開発に加えて、高精度化に向けたモデルの開発についても着手することができ、高速・高精度化の両方に十分な進捗があることから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、周波数情報からの逐次的に得た特徴点を用いた反力推定を検証する。また、推定反力を用いた運動生成の検証に際して、脚車輪型移動ロボットの脚内部に6軸力覚センサの取り付けが必要となるため、取り付けのための設計および製作を行う。
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Causes of Carryover |
本年度から次年度において、検証用に6軸力覚センサを脚車輪型移動ロボットの脚内部に取り付ける予定であるが、仕様の決定に時間を要して購入を次年度に持ち越したため次年度使用額が生じた。次年度使用額は次年度請求額と合わせて、6軸力覚センサの購入とその取り付けに必要な設計部品の製作に使用する予定である。
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