2023 Fiscal Year Research-status Report
乾燥/再湿潤環境下におけるコンクリート耐久性評価:ナノスケールでの水分挙動解明
Project/Area Number |
23K13436
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
金 志訓 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60827632)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 乾湿繰り返し / 水分挙動 / 混合セメント |
Outline of Annual Research Achievements |
BFS, FAを用いた混合セメントおよびアルカリ活性セメントはNaOH、Na2O-SiO2を刺激剤で活用し、生成されたC-S-HおよびC-A-S-H, N-A-S-Hの評価を行う。C-S-Hの化学的な組成および微細構造の評価のために、固体 NMR(29Si, 27Al)および1H NMR、MIP、XRD、TG/DTAを用いた微視的な観点からの評価を行った。今年度研究の結果,反応生成物の組成構造が異なるセメント系材料は乾燥・乾湿繰り返しから受ける影響にも大きな違いがあることが確認された。高炉スラグ系混合セメントおよび高炉スラグ系アルカリ刺激セメントではC-S-Hのほかに、含有されるAl成分の増加によるカルシウムシリケート水和物(C-S-H)内部のAlが置換結合された構造であるC-A-S-Hが生成される。C-A-S-Hに結合するAlおよびナノサイズのマトリックスでのinterlayer内部に存在するAlの増加は乾燥による層間の緻密化を低減することが確認されており、細孔の粗大化につながる構造変化も低減する効果があった。しかし、このような傾向性は主に高炉スラグを添加した混合セメントおよびジオポリマーで確認された傾向であった。カルシウムの少ないフライアッシュ系混合セメント(主な生成物がN-A-S-H)確認されておらず、CaO成分が豊富な環境配慮型セメントの特徴なと考えられ、現場活用および追加研究に貢献できる重要なデータが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年次に計画した混合セメントの組成評価とともに、乾燥/再湿潤によるC-S-H/C-A-S-Hでの水分移動と微細構造変化メカニズム解明まで研究が進んでおり、当初の計画より進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ研究されてない調合の微細構造分析を続きながら、今年度に解明されたメカニズムに基づいて、乾燥と再湿潤環境をうけたコンクリートの耐 久性を評価するため、耐凍害性、中性化対抗性、収縮膨張抵抗性等を検討する。
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