2023 Fiscal Year Research-status Report
立地環境の流動に対する山小屋の建築的適応に関する研究
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23K13469
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
奥矢 恵 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40771689)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 山小屋建築 / 立地環境 / 環境適応 / 雪崩 / 風・雪害 / セルフビルド / 近代登山 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、過酷な山岳環境下に所在し人間の生存基盤となってきた小屋、なかでも、日本で有数の豪雪地帯である立山・剱岳周辺に所在する山小屋建築を対象とし、小規模で単純な架構からなる小屋という建築物の立地環境(地勢や気象等)への適応過程を検討し、立地環境の特性に応じて採られてきた建築的対応策を明らかにすることを目的とする。 本年度は、当初の研究計画をもとに各山小屋の運営状況を勘案して、3軒の調査対象(剱御前小舎、剱沢小屋、阿曽原温泉小屋)を中心に実測調査と聞き取り調査を行った。並行して、剱沢周辺に所在する山小屋について、昭和の太平洋戦争後から現在にかけて行われた建て替え等の変遷に関する資料調査を行った。これらの調査結果を総合して、来年度は、剱沢小屋について大正期の開設から現在までの立地環境の流動に対する対応策と適応過程を検討し、次年度の日本建築学会大会にて口頭発表を行う予定である。 さらに、立山・剱岳周辺と比較するため、同じく積雪量の多い東北地方の山域に所在する山小屋の実測調査と聞き取り調査、資史料調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山小屋の運営状況を勘案し、当初の研究計画とは異なる山小屋へ変更しつつも、実測調査・聞き取り調査・資史料調査とも概ね、予定どおりに進んでいる。さらに、今後の比較対象として、積雪量の多い他山域の山小屋についても同様に調査を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
自然災害などの影響により、各山小屋の運営状況や調査の受け入れ可否はその年によって異なるため、調査対象の状況を確認・相談しながら、柔軟に調整して引き続き調査を行うこととする。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では初年度にノートパソコンの新規購入を予定していたが、価格が高騰しているため、バッテリー交換で対処することとした。円安が落ち着いたのちに購入したい。
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