2023 Fiscal Year Research-status Report
PVとバイオマス発電を対象とした地区内発電・消費型再エネ導入効果の評価モデル構築
Project/Area Number |
23K13471
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
須永 大介 麗澤大学, 工学部, 准教授 (10419054)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 低炭素 / 太陽光発電 / バイオマス発電 / 地域特性 / 効果分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、同一地区内発電・消費型で太陽光発電(PV)とバイオマス発電を対象とした再エネの導入効果を、地区の建物密度と建物用途を踏まえたエネルギー需要と、輸送を含む発電コストの観点から比較・評価するモデルを構築することを目的としている。 本研究では、まず研究対象都市として6都市を選定し、各都市の地理情報データベースを整備、地区別のエネルギー需要を定量的に推計する。次に、PVとバイオマス発電を対象として生成ポテンシャルの定量化手法を構築し、定量的な推計を行う。さらに、上記を踏まえて、エネルギー需給バランス・経済性・環境面の観点から導入効果を比較するモデルを構築する。最後に、検討成果を用いてケーススタディを実施、都市別の導入効果の特性比較を行う。 2023年度においては、このうち地区別のエネルギー需要の定量化手法と再エネ生成ポテンシャルの定量化手法について構築を試みた。地区別のエネルギー需要の定量化にあたっては、研究対象都市としてさいたま市、足利市、福岡市、北広島市、浜松市、磐田市を選定した。選定した用途別の建物床面積を算出し、メッシュ別の床面積を計上した。これに建物用途別の電力消費原単位を掛け合わせ、メッシュ別の電力消費量について計算を行った。再エネ生成ポテンシャルの定量化手法構築にあたっては、再エネに関する自治体、業者として3つの主体にヒアリング調査を行い、発電の実態についてそれぞれ情報を得た。これらの情報に基づき、発電ポテンシャルについて検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度においては、エネルギー需要と生成ポテンシャルの定量化手法についてプロトタイプの手法化が完成した。 このうち、エネルギー需要の定量化に際して、これまでの入手データを用いた定量化手法では、建物用途の分類に関して厳密な区分を実現できておらず、追加的にデータを入手、反映することでの改良の余地を残している。また、都市内における再エネ発電施設の立地可能性と発電規模に関しては、2023年度にヒアリング調査で得られた実態の情報を鑑みると、当初想定から若干の修正検討が必要となった。これらについては2024年度に追加的に検討を行うことを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
エネルギー需要と生成ポテンシャルの定量化手法については。一部改良点が残るものの、2023年度に概ね提示することができた。 2024年度からは、地区別の再エネ供給ポテンシャルの定量化手法構築と地区別導入効果比較・評価モデルの構築に取り組む。具体的には再エネ供給ポテンシャルの定量化手法については、PVとバイオマス発電の発電施設の立地場所を具体的に設定し、地区との距離を算出し、電力輸送コストを加味する手法の構築を目指す。地区別の導入効果モデルの構築に当たっては、エネルギー需給バランス・経済性・環境面の観点から定量的に比較・評価するモデルの構築を目指す。 2024年度からは、研究を進めると同時に学会への論文投稿を積極的に行い、研究内容に関して綿密に議論を行う予定である。
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Causes of Carryover |
データ購入に際し、当初想定していたデータ以外のデータセットの存在を把握し、この代替的なデータを用いることで入手コストを低減することができたため、使用額の減少があった。しかしながら、一部については追加的なデータによる検討の補強をすることがより望ましいとの考えに至り、2024年度にデータ購入を予定している。
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