2023 Fiscal Year Research-status Report
Japanese Architecture as "International Aid" in Cold War Asia
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23K13482
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市川 紘司 東北大学, 工学研究科, 助教 (60757855)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 冷戦 / 国際援助 / 黒川紀章 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東西冷戦構造下の建築文化を考えるため、東アジアにおける日本建築の展開を「国際援助」という切り口から検討することを目的としている。具体的には、①「国際援助」としての建設活動の総体、及びその建築の基礎的特徴の把握。②主要事業の実施過程や意匠、建築的評価等の分析。③他国援助事業との比較を通じた、その相対的位置づけの了解という3つの作業をおこなうものである。 2023年度は、当初の研究計画のとおり、戦後日本の建築家や建築企業のプロジェクトが東アジアおよび東南アジアにいかに展開しているのか、主要企業の社史や建築家作品集などの文献調査をつうじて、その総体や通時的変遷の把握作業をすすめた。また、とくに黒川紀章のプロジェクトに注目して、国際援助事業の枠組みで実施された中国やマレーシアにおける建築作品の意匠的特徴や、プロジェクト立案から実施にいたるまでのプロセスをたどった。 並行して、本研究の分析の参考となる専攻関連研究の調査も実施した。それにより、東側陣営にあった東ヨーロッパの一部でも日本の建築プロジェクトが実施されていたことがわかり、研究対象を「東アジア」に限定することなく拡張できる可能性があることが把握できた。また、冷戦時代に国力の弱かった中国も当時から「国際援助」として東側陣営に積極的に建築輸出をおこなっていることもわかり、西側における援助と東側における援助の比較を、日本と中国を具体的な事例としておこなえる可能性があることが了解できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始前に想定していた作業を進めることができている。他方で、とくに先行研究調査によって、研究計画作成時点では想定していなかった本研究の展開も見えてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では、2024年度から日本国外での建築プロジェクトの実地調査を計画している。2023年度の研究により、とくに中国のプロジェクトを優先して実地調査するべきことが了解されたので、中国および冷戦構造下で対立を深めた台湾での調査をおこなう計画とする。
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Causes of Carryover |
2023年度は文献調査のための国内出張や整理補助作業が計画よりも少なくなったため余剰が生じた。しかし2024年度以降に計画している国外出張は、近年の円安や物価高騰により経費がかさむ可能性が高いため、その補填にもちいる計画としている。
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Research Products
(2 results)