2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of dynamics of complex fluid droplet levitated on high temperature surface and their development into process intensification
Project/Area Number |
23K13592
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
増田 勇人 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 講師 (90781815)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Leidenfrost液滴 / 高分子液滴 / 運動モデル / 液滴反応器 / ラチェット |
Outline of Annual Research Achievements |
過熱表面上に浮遊する液滴を利用した化学プロセスの創出を目指し,過熱ラチェット面における高分子液滴の挙動をハイスピードカメラによる撮影画像を元に検討した。高分子にはキサンタンガムを用い,0.1wt%での濃度帯を対象としてラチェット面温度を変化させ,液滴の運動挙動を観察・可視化した。高分子添加により粘性が上がることで運動中の液滴の変形が抑えられ,安定した自走運動を示すことがわかった。画像解析により運動する液滴の座標を取得し,液滴速度を算出し,運動方程式モデルとフィッティングすることで駆動力と摩擦力を得た。これらパラメータと液滴粘度には相関が確認され,液滴粘度が増加することで駆動力の増加ならびに摩擦力の増加につながることを示した。また,ラチェットの形状(溝深さ)の影響についても検討した結果,溝深さが大きいほど摩擦力が増加する傾向がみられたことより,液滴粘度,ラチェット形状と液滴運動モデルについての相関関係を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
液滴運動を追跡するための画像解析プログラムは当初の計画より早めに開発できたが,液滴運動の数値シミュレーションについては若干遅れている。トータルとしては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまではキサンタンガム水溶液液滴を対象としていたが,高分子の分子量や鎖長の影響を明らかにするため,いくつかの水溶性ポリマーを用いて同様の検討を行う。主にポリエチレンオキサイド(PEO)のような複数の平均分子量が入手しやすい液滴を用いる予定である。また,液滴運動を詳細に理解するために数値シミュレーションも行っているが,メッシュ条件や物性値によって計算が発散してしまう課題がある。より細かいメッシュ条件による長時間のシミュレーションに着手し,現象理解(液滴内部流動や蒸気流動)を目指す。
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Causes of Carryover |
当初の予定より数値シミュレーションのモデル開発が遅れていたため,物品費用は予定額の半分程度しか使用しなかった。次年度に繰り越し,モデル開発が完了したのちに複数のワークステーションを購入し,研究を遂行する。
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Research Products
(8 results)