2023 Fiscal Year Annual Research Report
多結晶Geの物性評価とデバイス応用のためのpn接合形成技術の構築
Project/Area Number |
23K13674
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
茂藤 健太 九州大学, 総合理工学研究院, 学術研究員 (70896191)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲルマニウム / 多結晶 / 薄膜 / pn接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
合成温度の低い多結晶Ge薄膜は、低耐熱なガラスやプラスチック等のあらゆるモノに電子デバイスを作り込むことのできるポテンシャルを持つ材料であり、申請者は単結晶に迫る高いキャリア移動度を有する多結晶Ge薄膜を実現した。本研究では、多結晶Geのデバイス応用に向けて重要な要素でありながら、その劣悪な膜特性により未開拓であったpn接合の形成を目指す。 本年度は、多結晶p型Ge薄膜(正孔密度:5E17 cm-3)へのn型ドーピングに取り組んだ。n型ドーピングの手法として、塗布型拡散材(SOG)を用いる手法およびイオン注入の2手法を検討した。n型不純物にはP(リン)を用いた。SOGを用いる手法では、n型化(電子密度:7E18 cm-3)は可能ではあるものの、650℃以上の高いアニール温度が必要であることが判明した。一方、イオン注入では、500℃のアニールでn型化(電子密度:1E19 cm-3)に成功した。本手法により形成したn型領域をソース/ドレインとした反転型nチャネルトランジスタ動作も実証することができた。 プラスチック上のフレキシブルデバイス応用に向け、プロセス温度のさらなる低温化に取り組んだ。イオン注入後にNi薄膜を堆積し、アニールを行うことでn型化(電子密度:3E18 cm-3)に必要なプロセス温度を360℃まで低温化することに成功した。 pn接合をベースとしたあらゆる電子デバイスへの応用につながる成果である。
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