2023 Fiscal Year Research-status Report
光共振器内における2色共鳴吸収を利用した核種分光法の開発
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23K13686
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺林 稜平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10870272)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レーザー分光 / 放射性核種分析 / 同位体分析 / 光共振器 / キャビティリングダウン分光 / ドップラーフリー分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
共振器強化型吸収分光は、超高真空を必要としない小型・可搬型の装置で迅速・簡便・高感度な分析が可能であり新たな放射性核種分析法の一つとして期待されている。一方、放射性炭素分析以外の多様な核種分析への拡張については未だ発展途上である。本研究では、原子状放射性核種やそれを含む分子の分析を目指し、共振器強化型吸収分光における2色共鳴吸収、およびその非線形吸収効果を利用し、様々な対象に適用可能でより同位体選択性の高い、高感度かつ高分解能な同位体分光法の開発を進めている。このための具体的な実施内容として、(1) 共振器強化型2色吸収分光実証のための実験系の構築、(2) 共振器強化型2色吸収分光法による非線形吸収効果の観測・同位体高分解能分光の実証、(3) 放射性核種分析への適用性検討を2ヵ年の研究計画のもとで実施する。 1年目である令和5年度は共振器強化型2色吸収分光実証に向けて、共振器強化型レーザー吸収分光の実験体系構築を行った。特に重要な要素として、分光用狭線幅レーザー光源、および光共振器を含む分光セルの構築を行った。また、次年度の実証実験に向けて、ターゲット物質とその吸収遷移に関して検討を行った。導入試料を分光上適する形状(気体状原子、または分子)に変換する手法として直流グロー放電を利用することを念頭に、共振器強化型吸収分光装置と組み合わせた実験体系についても合わせて準備を進めている。 これらの成果をもとに、次年度は(2)の実証実験に取り組む計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究計画の1年目として、次年度の実験に向けた実験体系の構築を行うことができ、おおむね計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果として共振器強化型吸収分光法の実験体系の構築を進めることができた。次年度はこれをもとに、共振器強化型2色吸収分光法による非線形吸収効果の観測・同位体高分解能分光の実証を目指した実験に着手し、得られた結果をもとに放射性核種分析への適用性を検討する計画である。 一方、2024年3月より6月までの4か月間にわたり、育児休業を取得し本研究の推進ができない状況にある。休業のタイミングから今年度の進捗に影響はほぼなかったが、次年度については復帰時点での進捗を考慮し、研究期間の1年間延長などの対策を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度は特に次年度の実験に向けた実験体系の構築に取り組み、そのための物品費を主に支出したが、既往の研究設備との組み合わせが可能であったため、効率的な研究遂行ができたため、当初予定から残額が発生した。一方、旅費については予定していた出張等についての予定変更があり、残額が発生した。これらの残額と翌年度に請求する助成金を合わせ、今年度に引き続き研究計画にある実験実施のための体系構築のための部品費と消耗品等の購入費として使用する他、学会発表等での成果報告のための旅費として使用する計画である。
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