2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of foundations for forming a fusion area of fine bubble technology and electrochemical reactions
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23K13720
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
冨崎 真衣 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 助教 (40964622)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ファインバブル / 電気化学 / 水電解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ファインバブルを含有する溶液の電気化学反応を詳細に調べることを通して、気体が反応物となる電気化学反応の促進やファインバブルが存在する溶液を利用する際の指針の提示をすることを目的としている。ファインバブル含有溶液の電気化学反応特性を把握することや、気体が反応物となる電気化学反応における反応効率の向上や生成物選択性の制御を達成することを目指す。 本年度は、ファインバブル含有溶液の電気化学特性の調査を進めた。代表的な酸化還元種を含む溶液にファインバブルを共存させ、その溶液の電位走査に対する電流値の挙動を調べた。酸化反応や還元反応に由来するピークの現れる電位やピークの電流値を系統的に調査し、ファインバブルがどの酸化還元反応へ寄与し得るかの知見を得た。酸化還元種には、電極との電子の授受の方法に違いがあるものや、溶液中で正や負に帯電するものなどを用いた。気体の種類や気体の濃度もかえて電気化学反応に及ぼす影響を調査した。ファインバブルの表面電荷の計測も行い、ファインバブルがどのようにして電気化学反応へ影響を与えるかを考えた。今後、計測方法や溶液調製方法を改善し、気泡の表面電荷測定を行う予定である。また、ファインバブル含有溶液の水電解反応への応用を探索する準備も行い、基礎的な水電解の実験を進めた。水電解において、使用する溶液種を工夫することにより、水素と酸素を選択的に発生させることのできる系について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファインバブルと酸化還元種を含む溶液の電気化学特性を把握する実験や、ファインバブルの水電解への応用を目指した基礎実験を進めた。また、反応中に電極界面に存在する化合物を分析する手法の習得も進めてきた。次年度以降、気体が反応物となる電気化学反応へのファインバブルの適用へ進むことができる見通しであり、概ね予定通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
気体が反応物となる電気化学反応を検討し、反応効率や生成物選択性の向上を目指す実験を進める。また、ファインバブル含有溶液の電気化学反応特性の把握に関し、反応中に電極近傍に存在する化合物の分光分析も行う予定である。
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