2023 Fiscal Year Research-status Report
機能増強型配位子の電荷移動錯体を用いた高性能なペロブスカイト結晶の創出
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23K13804
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
江部 日南子 山形大学, 理学部, 助教 (90962762)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ペロブスカイトナノ結晶 / 電荷移動錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ペロブスカイトナノ結晶および電荷移動 (CT) 錯体複合膜の創出とエネルギー移動機構を利用した新規エネルギー変換材料への応用を目指す。当年度は、一段階溶液プロセスによるCT-ペロブスカイト複合膜の作製と材料物性評価を実施した。 CT-ペロブスカイト複合膜は、電子アクセプター分子の1, 2, 4, 5-テトラシアノベンゼン、電子ドナー分子のピレンをペロブスカイト前駆体溶液に混合し、一段階スピンコート法によりの作製した。得られたCT-ペロブスカイト複合膜は、X線回折測定および紫外-可視吸収スペクトルよりペロブスカイトおよびCTの形成を確認した。また、CT-ペロブスカイト複合膜の蛍光スペクトルより、ペロブスカイトに由来する発光ピーク強度の大幅な低下と同時にCT発光の出現を確認した。CT-ペロブスカイト複合膜におけるCT発光の励起スペクトルより、ペロブスカイトに起因するピークが示した。さらに、蛍光寿命測定より、消光を示したペロブスカイト発光の短寿命化を確認し、ペロブスカイトからCT錯体へのエネルギー移動が示唆され。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当年度は、一段段階溶液プロセスによるCT-ペロブスカイト複合膜を作製し、材料間のエネルギー移動を明らかにし、実験計画に沿った研究成果が得られた。以上より「概ね順調ぬ進展している」と結論付けた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、CT-ペロブスカイト間のエネルギー移動機構を解析するため、複合膜の構造依存性およびエネルギー準位依存性を検証する。
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Causes of Carryover |
2024年度は、作製プロセスの開発および材料物性評価 (光学特性測定および結晶構造解析、薄膜形態の観察) を主として研究を遂行し、当初計画にくらべ試薬費が低かった。また、論文投稿にかかる費用が使われていないため、以上のような予算執行状況となった。 2025年度は、材料設計の最適化により、詳細な反応機構の解析を行うとともに、論文投稿に向け準備を進める。
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Research Products
(6 results)