2023 Fiscal Year Research-status Report
リチウムイオン伝導性酸化物単結晶の高イオン伝導化と異方性の解明
Project/Area Number |
23K13823
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
丸山 祐樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10782469)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 単結晶 / リチウムイオン伝導体 / 酸化物 / 溶媒移動浮遊帯域溶融法 / イオン伝導異方性 / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
層状構造を有するダブルペロブスカイト型酸化物の単結晶を溶媒移動浮遊帯域溶融法により育成し、高イオン伝導度を有するリチウムイオン伝導体酸化物単結晶を創製することを目的としている。 今年度は、LixLa(1-x)/3Nb1-yTayO3(LLNT)の単結晶育成について育成条件を検討した。浮遊帯域溶融(FZ)法を用いて育成雰囲気を検討した。その結果、酸素ガス気流中での育成では、溶融帯から気泡が発生し安定して結晶育成を行うことが困難であった。一方で、窒素ガス気流中またはアルゴンガス気流中での育成では、気泡は発生せず安定して溶融帯を保持でき結晶育成が可能となった。また育成速度は5mm/hで安定して結晶育成が行えた。FZ法で育成した結晶の組成分析をした結果、育成結晶中に目的組成とは異なる組成のLa-(Nb,Ta)-O相が析出していることがわかった。このことより、LLNTは、La-(Nb,Ta)-O相と液相に分解溶融することが本研究で初めて明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FZ法を用いて育成雰囲気や育成速度について検討し、窒素またはアルゴンガス気流中で5mm/hの速度で結晶育成が安定した。また、育成結晶の組成分析の結果から、LLNTが分解溶融することがわかった。組成均一な結晶を得るためには詳細な溶媒組成の検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
溶媒を用いてFZ法である溶媒移動浮遊帯域溶融法によりLLNTの結晶育成を行う。特に溶媒組成を詳細に検討することにより、組成均一なLLNT単結晶を育成する。育成した結晶のイオン伝導特性を明らかにする
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