2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of CO2 reduction reaction by ionic liquids and single crystal electrodes
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23K13835
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
小林 駿 一般財団法人電力中央研究所, エネルギートランスフォーメーション研究本部, 主任研究員 (10884223)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 二酸化炭素還元 / 固体高分子形燃料電池 / 白金触媒 / メタン生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
固体高分子形燃料電池(PEMFC)を用いた、CO2の電気化学的還元が脱炭素化に向けて期待されている。白金触媒を用いた酸性条件下における二酸化炭素の電気化学的還元は、通常であれば水素発生が優先して進行するため、二酸化炭素還元のファラデー効率(電流効率)向上と還元メカニズム解明が重要課題となっている。 本年度では、研究項目の1つである水溶液中におけるCO2還元基礎特性の解明を行った。白金の多結晶電極を用いて、酸性条件下である過塩素酸水溶液を電解液として、CO2還元反応の基礎特性を明らかにした。測定中のCO2濃度と過塩素酸濃度を変化させることで、白金電極表面のCO2濃度とpH変化による影響を評価した。その結果、酸性条件下においては、CO2還元の中間体である表面吸着COの生成電位はpHに影響しないことが確認できた。また、過塩素酸の表面特異吸着アニオンによる影響によって、表面吸着プロトンの吸着脱離の電位シフトが発生するが、この電位シフトの影響についても特に見られずに、0V vs. RHEでCO2が還元する事を確認した。 CO2濃度による影響については、CO2濃度が高いほど表面吸着COの生成量も大きくなることが確認されたと共に、還元電位はどのCO2濃度においても変化がないことが明らかとなった。また、表面吸着COの生成電位が大きく2つに分かれており、CO2濃度の変化に伴って異なる吸着構造を有する事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目1で検討予定であった、水溶液中におけるCO2還元基礎特性について評価を行い、白金電極にて二酸化炭素還元の依存性について検討しており、研究実施計画に従いおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね当初の予定通りに推進する。令和6年度では水溶液中におけるCO2還元基礎特性の解明について引き続き検討を行うと共に、単結晶電極を用いた解析についても実施する予定である。また、最適なイオン液体の探索もあわせて行う事で、CO2還元のメカニズム解明を試みる。
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Causes of Carryover |
本年度の設備備品として、海外製の質量分析計の購入を予定していたが、質量分析計の価格が物価の上昇と円安の影響を受けて申請時よりも高騰したため、前倒し支払い請求を行った。申請のシステム上、1万円単位での前倒し請求となり、1000円単位の次年度使用額が結果的に生じる事となった。使用計画については特に変更はない。
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