2023 Fiscal Year Research-status Report
土壌劣化が深刻な熱帯アルカリ性土壌における炭素蓄積メカニズムの解明
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23K13859
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
関 真由子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 特任研究員 (70963453)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 土壌炭素蓄積 / 熱帯アルカリ性土壌 / 結合安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、土壌劣化の進行が深刻な熱帯アルカリ性土壌において土壌有機物の管理法を再考し持続可能な農業生産を行うために、熱帯アルカリ性土壌特有の炭素蓄積メカニズムを包括的に解明することを目的に研究を行う。具体的には、熱帯アルカリ性土壌が分布する南インドから代表的な土壌型や一般的な土地利用を含む土壌サンプルを広域で採取し、粘土鉱物―Ca-有機炭素の結合安定性について、X線回折装置による粘土鉱物組成の測定を行うとともに、有機炭素安定化機構の異なる画分ごとに物理分画を行い、各画分の可溶性Caの抽出や有機炭素の結合形態の同定などの各種分析を行うことで、代表的な粘土鉱物種と対応した鉱物―金属―有機炭素間の結合安定性を明らかにし、炭素蓄積の規定要因を特定する。本研究により未解明だった熱帯アルカリ性土壌特有の炭素蓄積メカニズムを明らかにすることが期待される。 初年度は、南インドの共同研究先・タミルナードゥ農業大学にて調査を行い、代表的な土壌型であるAlfisolsやVertisols土壌で表層土壌の採取を行うとともに現地で断面調査を行った。得られた試料は日本に持ち帰り、現在試料調整を終え、分析途中である。また、南インドにおいて森林利用および畑地利用という土地管理の異なる土壌サンプルにおける有機炭素の蓄積特性について、得られた成果をもとに国内学会で発表を行った。今後は引き続き分析を行い、得られた成果をまとめて学会発表および投稿論文にて発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に土壌調査を行い、各種試料の分析を行う予定だったが、共同研究先の都合により調査時期が想定より遅れ、実験・分析に着手する時期が遅くなったことにより、研究の進捗はやや遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
分析途中の土壌試料について、引き続き分析を行い、得られた成果をまとめて国際・国内学会や投稿論文にて発表する。
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Causes of Carryover |
今年度は土壌調査および分析の遅れにより、標識植物残渣の作成を行わず、次年度以降の計画に組み込むことになった。そのため、今年度の使用額が減り、次年度使用額が生じている。
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