2023 Fiscal Year Research-status Report
Role of mitochondria in a novel lifespan regulatory mechanism in yeasts
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23K13865
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西田 郁久 新潟大学, 日本酒学センター, 特任助教 (20784531)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 寿命制御 / 細胞増殖 / 生存 / アルコール発酵 / 酵母 / コエンザイムQ / 清酒醸造 |
Outline of Annual Research Achievements |
酵母の新規寿命制御機構におけるミトコンドリアの役割に関して、様々な角度から研究を展開した。 アルコール発酵に関わる重要な因子の同定に関する研究では、出芽酵母と分裂酵母においてタンパク質リン酸化酵素とその関連因子を中心とした遺伝子破壊株等の解析を行った。その結果、アルコール発酵過程での増殖と生存に関わる因子の中には、ミトコンドリアの活性や代謝に関わる新規因子が存在することが明らかとなった。その一部の内容については、学術論文への採択が決定している。 また、アルコール発酵と呼吸を制御する因子にはコエンザイムQ(CoQ、ユビキノン)が存在しているが、分裂酵母においてミトコンドリアでのCoQ生合成に関与する新規因子のCoq11およびCoq12を同定し、機能解析や再現性確認実験を進められた。このうち、Coq12はこれまでに全生物において、機能に関する報告がないタンパク質であったが、p-ヒドロキシ安息香酸の代謝に関連し、NAD+/NADHの酸化・還元に関わる新規酵素であることを見いだし、様々なCoQ生合成酵素とタンパク質間相互作用を示すことや、酸化・高温ストレスとの関係なども明らかにした。 さらに、CRISPR-Cas9を用いたゲノム編集技術を用いた清酒酵母の醸造特性に関する基礎・応用研究や、酒米の肥培管理と清酒酵母の発酵特性との関係・寿命制御の研究にも展開した。自然突然変異と遺伝子工学的手法を組み合わせる形で、日本酒の香味成分等の制御に関わる、ミトコンドリアやサイトゾルにおける炭素・窒素源などの代謝制御因子に着目し、清酒酵母の改良育種も進めている。こられの成果を以降に示す様々な媒体において研究発表・情報発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示したとおり、本研究テーマに関する様々な研究課題において、成果が得られた。coq11やcoq12に関する実験では新しいデータや再現性データを追加し、学術論文等において公表することができた。また、アルコール発酵に関わる酵母の新規な寿命制御機構を見いだし、またその中で、ミトコンドリア関連因子が関与する萌芽的な知見を複数得た。このように基礎・応用の両面で研究が進展している。さらに、ミトコンドリア関連因子の遺伝子について、CRISPR-Cas9のゲノム編集技術を用いて破壊した清酒酵母の取得にも成功しており、アルコール発酵条件における新規寿命制御に関するミトコンドリアの役割の解析を進められている。その他、研究成果に示すように、本研究に関連する研究テーマにおいても多くの新たな知見が得られ、情報発信することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、出芽酵母(実験室酵母・清酒酵母)および分裂酵母を用い、アルコール発酵条件での新規寿命制御機構におけるミトコンドリアの役割を解析する予定である。CoQの代謝に関わる遺伝子を含む、様々なミトコンドリア関連因子の遺伝子破壊株や変異株を用い、アルコール発酵条件における寿命制御や醸造特性に及ぼす影響について詳細に解析する。また、得られた知見を新規な清酒酵母といった産業酵母の育種にも応用展開する。
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Causes of Carryover |
当初見込んだよりも実験に用いる実験機器、器具・試薬類の購入が少なく、次年度使用額が生じた。この使用額については、研究の遂行をよりスムーズにするために必要な試薬類、実験機器・器具類の購入、論文投稿にかかる費用などに充てる。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] 清酒酵母の異なる系統では同一変異が様々な表現型を引き起こす2023
Author(s)
Klinkaewboonwong Norapat, 大貫慎輔, 茶谷朋哉, Farzan Ghanegolmohammadi, 西田郁久, 牛山宥人, 富山早紀, 磯谷敦子, 五島徹也, 西智之, 北本勝ひこ, 赤尾健, 平田大, 大矢禎一
Organizer
酵母遺伝学フォーラム第56回研究報告会
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