2023 Fiscal Year Research-status Report
ライフサイクルを通した芝地の温室効果ガス吸収能の定量評価
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23K13975
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
黒沼 尊紀 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 助教 (10808596)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 芝地 / 温室効果ガス / 土壌フラックス / ライフサイクルアセスメント / 廃棄 / カーボンニュートラル |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究実績は主に以下の3点である。 ①芝生産時の温室効果ガス(以下、GHG)発生量の調査:切り芝生産方法について、生産者にヒアリングを行い、2023年10月よりワグネルポットを用いた再現試験を開始した。現在まで、毎月2回のガス採取および分析が順調に実施されている。現時点で、CH4やN2Oの発生はほとんど確認されていない。本試験は2024年6月頃の終了予定である。 ②刈り芝放置時のGHG放出量の調査:C/Nの異なる刈り芝(コウライシバ&ケンタッキーブルーグラス)を対象とし、一定量をワグネルポットに詰め込み、GHG放出量の調査を実施中である。毎月2回のガス採取および分析が順調に実施されている。現時点で①同様に、CH4やN2Oの発生はほとんど確認されていない。本試験は2024年10月に終了予定である。 ③芝地のGHG収支に関する試験結果の取り纏めと論文化:上記①②を除き、2023年度を含めてこれまで明らかにしてきた情報を整理し、論文を投稿した。今後は上記①②の情報をアップデートした形で、学会発表・論文掲載を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に予定されていた実験は、計画通り着手されており、2024年度中の終了の目途も立っている。また、植物の生育やガス採取、分析等に現状問題は発生しておらず、おおむね順調に進展していると判断できる。 2024年度は、上記実験に加え、データの解析や発表準備等を着実に行っていくことで、2024年度内の成果化に努めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時に予定した実験を着実に進行し、2024年度内の成果化を目指す。加えて、芝のみならず、広く造園や緑化に関わる植物等のGHGの定量化を念頭に置きながら、研究を推進していく予定である。これにより、申請内容の達成はもちろんのこと、より広い視点で、成果を積み上げていきたい。
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Causes of Carryover |
理由:2023年度は、円安の影響を強く受け、予定よりも論文掲載費(「その他」)の支出が大幅に上昇した。また近年の物価高の影響も勘案し、2024年度の使用額が増加する可能性が高い。よって、2023年度の一部を2024年度の使用にあてることが、研究の着実な遂行に必要と考えた。 使用計画:消耗品等の「物品費」での使用を計画している。
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