2023 Fiscal Year Research-status Report
木質バイオマス熱分解におけるコロナ放電を用いた気相反応制御
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23K13994
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 高志 京都大学, エネルギー科学研究科, 特定研究員 (60973790)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | バイオマス / 触媒変換 / 静電気 / 急速熱分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
急速熱分解法は化学的・物理的に強固な高分子化合物の集合体である木質バイオマスを効率的に低分化し、揮発生成物へと変換する手法である。これまでの検討において赤外線加熱を用いた急速熱分解ではセルロース試料から目に見えるミスト状生成物と目には見えないガス生成物が生成し、コロナ放電により発生する静電気によりミスト状生成物が選択的に凝集することを明らかにしている。本研究課題では静電気を用いてミスト状生成物を触媒表面に凝集し、触媒変換することで様々な有用化学物質を生成することを研究目的とする。令和5年度の研究ではタンデム・マイクロリアクターとGC/MSを用いた熱分解・触媒変換の検討について検討した。この装置ではバイオマス試料やモデル物質の熱分解とその熱分解生成物の触媒変換を同時に行うことができる。この装置においてキャリアガスを水素から窒素へと変更しより熱分解条件に近い雰囲気下で検討を行うことができるようなり、触媒を用いた検討を進めている。現在金属触媒を用いた触媒変換を行っている。また、コロナ放電を用いた検討についても同時並行で行っており、常温においてステンレス板に選択的にミスト状生成物を凝集させることが可能となっている。このように本研究課題を達成するための研究基盤が整っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を実施する上で様々なバイオマスを種々の触媒で変換する検討をする必要がある。このため、熱分解と触媒変換を同時に実施可能なタンデム・マイクロリアクターを窒素雰囲気下で使用可能となったことは研究において大きな前進となった。現在、様々な温度条件及び触媒下で検討を行い、有望な条件において実際に静電気下での検討も行っている。このようにタンデム・マイクロリアクターを用いたスクリーニング実験と実際に近い環境下での試験を行うことでそれぞれの検討において出てきた課題を両方面から解決に導くことが可能となっている。このような理由で、“概ね順調に進展している”と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の研究により触媒変換と静電気を用いた変換についての研究基盤が整った。令和6年度においては用いるバイオマス資源及び触媒を様々に変更し、より広範な検討を行っていくことを予定している。具体的にはこれまでの検討ではセルロースやその主要な揮発熱分解物であるレボグルコサンを用いた検討をしてきたが、今後はリグニンを用いた検討も行っていきたいと考えている。これらと並行して熱分解条件についても検討し、熱分解生成物の選択性も向上することでその後の変換経路を単純化することについても挑戦していく予定である。
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Causes of Carryover |
現在所属している研究室にある備品において購入予定であった物品が代用可能であり、物品費に使用する額が減少したため。
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Research Products
(5 results)