2023 Fiscal Year Research-status Report
Field research to develop robotic herding technology for manipulating grazing distribution
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23K14047
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
安在 弘樹 宮崎大学, 農学部, 准教授 (80811736)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 放牧 / ウシ / ロボット / スマート畜産 / 省力化 / 行動 / 空間分布 / 草地利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、放牧家畜への影響を最小限にとどめつつ、精密・省力的に草地利用の空間分布(採食分布)を制御する技術を開発することを目指し、四足歩行ロボットによるherding(家畜を追うこと)に対する放牧牛の行動反応ならびに採食分布制御効果を明らかにすることが目的である。 初年度である当該年度は、ドローンとロボットによるherdingに対するウシの行動反応を比較するとともに、音声刺激の有無と種類が行動反応に及ぼす影響を検討した。また、連日にわたってロボットherdingを行い、ウシの行動反応とherdingによる採食分布制御効果の経日変化を明らかにした。さらに、リーダーシップやフォロワーシップ等の集団移動に関する個体特性がherding時のウシの移動に及ぼす影響を検討した。 以上の調査の結果、異なる刺激に対するウシの行動反応の違いが明らかになるとともに、採食分布の制御におけるロボットherdingの有効性が確認された。また、ウシの行動反応および採食分布の制御効果は連日のherdingにより低下し、中断期間後の再開により回復することが、事前の予想通り確認された。さらに、自発的な移動におけるリーダーシップやフォロワーシップは、半強制的な移動であるherding時の移動に対しても影響を及ぼすことが明らかになった。一方で、連日のherdingに対するウシの馴化を防ぎ、より効果的に採食分布を制御するためには、ウシの逃避反応を促しつづけられる刺激を探るとともに、herding時のウシの行動における個体差についての理解を深める必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、四足歩行ロボットを用いたherding試験を実施することができ、ロボットに対するウシの行動反応と採食分布の制御効果を評価することができた。これは、当初の研究計画通りである。さらに、ウシの個体特性がherding時の行動に及ぼす影響も評価することができ、一定の成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ロボットherdingに対するウシの馴化を防ぎ、採食分布の制御をより効果的にするために、聴覚および嗅覚刺激の付加方法がウシの行動反応に及ぼす影響を評価するとともに、ロボットに対するウシの行動反応の個体差についての理解を深める。 ロボットherdingの自律運行技術の開発に向け、工学分野との連携を含めた準備を進める。
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Causes of Carryover |
今年度の試験資材を購入する消耗品費が当初の予定より若干少なく済んだため、次年度使用額が生じた。 次年度での試験資材を購入する消耗品費に充てる予定である。
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