2023 Fiscal Year Research-status Report
面的不均一な光環境に対する葉菜類の応答解析と人工光植物栽培への応用
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23K14054
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
地子 智浩 一般財団法人電力中央研究所, グリッドイノベーション研究本部, 主任研究員 (60816479)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 植物工場 / 光形態形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物を栽培している面において、位置によって異なる光環境に調節するためのシステム構築を行った。屋外用ディスプレイ光源を用いた場合では光が拡散して、特定の部位の光環境を調節することができず、レンズを用いても大きく改善はされなかった。高出力のプロジェクターを用いることで、高解像度で面的な光環境調節が可能となった。本システムでは、画像情報をプロジェクターに入力することで青、緑および赤色光源から植物栽培面に照射される光をそれぞれ調節する。加えて、カメラを用いて植物の葉がある位置をリアルタイムで把握し、植物のみに光を照射するシステムを構築した。通常のプロジェクターを用いる場合は照射面積の減少は消費電力の抑制につながらないが、将来的にレーザー走査等を人工光植物栽培に用いる場合には消費電力が大幅に低減されることが期待できる。予備実験において、プロジェクター光を用いた栽培では、通常のLEDアレイを用いて栽培する場合と比較して、群落表面近くの部位は強光照射時と同様に葉面の凹凸が観察されたのに対して、茎を含む群落下部の部位は弱光環境と同様な伸長する傾向があった。葉が相互遮蔽する場合には、群落下部にプロジェクター光が到達しづらかった可能性がある。次年度は複数の試験区で同時に栽培実験をするために、栽培システムを拡張し、照射面積を調節することによる省エネ栽培技術の開発・植物の部位ごとの光質調節による生理障害抑制技術の開発に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被照射面において高い解像度で不均一な光環境を作出するシステムの構築に苦労したが、当初の計画とは異なる形で解決した。
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Strategy for Future Research Activity |
栽培実験では、LEDディスプレイ光源ではなく高出力プロジェクタを用いることに計画を変更する。同時に4試験区で実験できるシステムを構築し、計画通り、照射面積を調節することによる省エネ栽培技術の開発・植物の部位ごとの光質調節による生理障害抑制技術の開発に取り組む。
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