2023 Fiscal Year Research-status Report
免疫グロブリンAの糖鎖構造が子の腸内細菌叢の形成に及ぼす影響の解明
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23K14061
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
堀内 里紗 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (50823697)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 免疫グロブリンA / 糖鎖 / ミルク |
Outline of Annual Research Achievements |
分泌型免疫グロブリンA(secretory immunoglobulin A, sIgA)が二量体として粘膜中に分泌され生体防御の最先端で働くことは、古くから知られていた。ところが近年、sIgAは体外への微生物排除だけでなく、腸管免疫系を介した微生物との共生関係の樹立や、微生物の宿主体内移行に関与することが明らかとなってきた。このように宿主と微生物の間を取り持つ生体成分としてsIgAは位置付けられ、その働きにはsIgAの糖鎖が重要な役割を果たすことが示唆されている。乳、特に分娩直後に分泌される初乳にはsIgAが豊富に含まれており、新生子の腸内細菌叢の確立に寄与することが予想される。そこで本研究は、入手が容易な家畜初乳からsIgAを精製し、その糖鎖構造を網羅的に解析し、さらに子の糞便菌叢を解析することでsIgAを介した腸内細菌叢の形成機構の解明を目的とした。 帯広畜産大学フィールド科学センターにて飼育するHolstein-Friesian種10頭から、それぞれ分娩後に初回採取した初乳100 mLを試料として用いた。初乳試料を回収後、タンパク質成分の分解を防ぐため、速やかに哺乳類用プロテアーゼ阻害剤カクテルを添加した。次いで遠心分離により脱脂し、得られた脱脂乳から酸沈殿法によりカゼインを除去した。次いで孔径0.2 μmのマイクロフィルターでろ過し、得られたろ液をチオエーテル基結合ゲル(T-gel)を用いたアフィニティ精製に供した。溶出したIg画分をToyopearl HW-55カラムを用いたゲル濾過に供し、sIgA画分を回収した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年9月より療養のために休職したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年7月より民間企業へ異動したため、辞退する。
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Causes of Carryover |
2023年9月より療養のための休職期間としたため、その差額が次年度使用額に反映されております。 しかしながら、2024年7月より民間企業へ異動となり応募資格を喪失するため、交付は辞退いたします。
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