2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K14116
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 耕太 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教(常勤) (10867279)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 老化 / 寿命 / 生殖細胞 / ターコイズキリフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
超短命モデル脊椎動物ターコイズキリフィッシュを用い、「生殖細胞を起点とする健康寿命延伸シグナル」の同定、解析を進め、以下の結果を得た。本年度は、生殖細胞除去により寿命が延伸したオスの体で活性化が示唆されたビタミンDシグナルに着目し、健康寿命延伸シグナルとしての機能検証を行なった。活性型ビタミンDをターコイズキリフィッシュに長期間投与した結果、寿命が有意に延伸することが明らかとなった。生殖細胞除去でビタミンDシグナルの活性化が認められたのはオスのみであったが、ビタミンD投与の結果オスメスともに寿命が延伸した。従って、ビタミンD自体は性によらず寿命を延伸するホルモンである可能性が見出された。さらに、組織解析の結果、ビタミンD投与は皮膚や筋肉の健康状態を確かに改善することも明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「生殖細胞を起点とする健康寿命延伸シグナル」の第一の候補として着目していたビタミンDシグナルが脊椎動物の寿命をコントロールすることを示すことができた。この発見を起点にシグナルの上流、下流を探ることで生殖細胞を起点とした制御メカニズムにさらに迫ることができると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
生殖細胞を起点とした個体老化制御メカニズムの一端を解明することができたが、生殖細胞がどのようにしてビタミンDシグナルを制御するのか、また、ビタミンDシグナルの他に寿命延伸シグナルが存在するのかは未解明である。これらを明らかにするために、当初の計画通り生殖細胞や生殖腺が産生する分泌因子に着目した解析を進める。その際、独自に網羅的な解析系の構築を進めるとともに、公開されているオミクスデータを活用しながら因子を絞り込む。
|
Causes of Carryover |
本年度はすでに着目していた候補因子の機能解析を集中的に行なったため、計画していた網羅的な解析は行わなかった。網羅的な解析を次年度進めていく予定である。
|
-
[Journal Article] Sex-dependent regulation of vertebrate somatic growth and aging by germ cells2024
Author(s)
Kota Abe, Hikaru Ino, Tomomi Niwa, Daniel Semmy, Ayami Takaochi, Takashi Nishimura, Chihiro Mogi, Maki Uenaka, Masaru Ishii, Kaori Tanaka, Yasuyuki Ohkawa, Tohru Ishitani
-
Journal Title
Science Advances
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed / Open Access
-
-