2023 Fiscal Year Research-status Report
Brain image analysis of resilience against adversity in early childhood
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23K14119
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
関 布美子 公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 主任 (40771407)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 脳発達 / MRI / マーモセット / fMRI / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
困難な出来事に直面した際に柔軟に適応できる能力をレジリエンスとし、幼少期に困難な経験をした際、精神疾患に罹患するリスクが高まったとしてもレジリエンスが高い人は健やかに発達すると言われている。脳画像を用いた調査も行われているが、困難な経験には個人差が大きいためバラツキが生じる。そのバラツキを実験動物を使用し最小限にすると、困難に強い脳の特徴が見出だせると考えた。 本年度は課題への意欲・報酬への反応を評価するための機能MRIの最適化を行った。オペラント課題に対してどのようなモチベーションで行っているか推定するためには課題を見ている際の脳活動を評価する必要がある。本年度は視覚刺激の機能MRIの立ち上げを行った。 また課題を行う際には正解した際などに報酬を与える必要がある。動物が好む報酬を与えることで課題に取り組む意欲があがると考えられる。本年度はどのような報酬が動物が好むのか匂いへの反応で推定するために嗅覚の機能MRIの最適化を行った。 親の離別モデルに関しては、離別の方法によって脳発達への影響が異なる可能性がデータ解析また他機関による研究の情報収集によって示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題を連想できるような視覚刺激のfMRIを実施するために、視覚刺激の機能MRIを実施するためのシステム開発を行った。MRI内に磁性体を含む素材は使用できないため、3Dプリンターを使用しレジン素材のものを適用し、MRI内に画面を提示できるような道具を準備した。 報酬への反応を評価するため、嗅覚刺激のfMRIの最適化を行った。取得したデータを用いて匂いを感じた際にもっとも反応の出る画像補正の調整を行った。また比較のため嗅覚以外の感覚野の反応と比較し、嗅覚に関する領域に特化して、匂いを提示した際に信号上昇が認められることを確認した。 親の離別に関しては、親と離別することがあっても、兄弟等の他個体と同居し育つことによって脳形態に大きな影響が出ない可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
視覚弁別Go/No-Goをはじめとするオペラント課題についての検討を実施する。難易度が最初から高いと課題に取り組んでもらえない可能性があるため、難易度の調整を実施する。また、マーモセットにとっての理不尽な環境を構築する。1日目、2日目は正解後に報酬を与えるが、3日目は報酬を与えない条件は効果的かどうかを検証する。 また、課題を実施する際と機能MRIによる評価においてなるべく環境が乖離せず、機能MRI時に課題のことが連想できるような条件を検討し実施する。 また効果の高い報酬を提供するため、先行論文で使用されている報酬を候補に、嗅覚刺激による反応から側坐核の活動が上昇する報酬の同定を行う。
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Causes of Carryover |
本年度はマーモセット用タスク装置の購入に至らなかった。次年度に検討し購入予定である。
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Research Products
(7 results)