2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of chromatin dynamics during spermiogenesis
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23K14191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽田 政司 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (10802746)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 精子成熟 / 核凝縮 / クロマチン動態 / エピジェネティクス / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は精子核凝縮過程におけるクロマチン動態及び核凝縮に重要な領域を明らかにすることで、精子成熟に重要なクロマチン基盤を提示することを目的としている。このために研究室独自のレポーターマウスを用いた細胞の精製系を最適化する必要があるが、条件検討は採択前の準備期間で完了していた (Fujiwara*, Hada*, CytoA., 2023)。そこで初年度となる今年度は、精子核凝縮過程の細胞を実際に分取精製し、ゲノムワイドなクロマチン状態の解析手法であるATACseq解析を行った。その結果、特定の時期でゲノム全体が大きく弛緩する状態が存在することを見出した。更に変異マウスを用いた解析から、この弛緩状態が低ヒストン状態を反映していることを明らかにした。一方で本研究課題の目的の一つが、領域特異的な核凝縮の機序を明らかにすることである。前述のATACseq解析の結果から、比較的遺伝子密度の高いゲノム領域は弛緩の程度も強いことがわかった。 次年度では核凝縮に重要な因子であるプロタミンを欠損させた変異マウスを使用することで、核凝縮に対するこれらの具体的な役割を解析する予定であるり、マウスコロニーの拡大も予定通り進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は解析系を構築し、実際にATACseq解析を行う予定であったが、これらを滞りなく遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度構築した解析系を用いて、来年度は核凝縮に異常を呈する各種変異マウスを解析する予定である。また、研究計画の最終年度であるため、成果を国内外の学会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度は変異マウスコロニーの拡大や、変異マウスを用いた次世代シークエンサー解析を多く計画している。これにより、次年度は今年度よりも支出が大きくなる見込みであったため、残予算を翌年度分として計上した。
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