2023 Fiscal Year Research-status Report
比較オミクスによる光周性花成の獲得・多様化の分子機構の解明
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23K14253
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村中 智明 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (50761938)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 光周性 / ウキクサ / 概日時計 / フロリゲン / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
所属の異動に伴い、実験環境の構築を行った。並列して9つの日長条件処理できる装置について、耐久性に問題が見れれたため、改修しを行った。本装置を2倍体アオウキクサが明瞭な短日応答を示すことを確認し、について限界日長を決定した。また、すでに取得している4倍体アオウキクサのゲノム配列について、アノテーションを行い、BUSCOスコアが94と実用レベルが構築抱きた。公開されているイボウキクサのゲノムとあわせて、短日・長日での比較ゲノム解析の基盤を構築できた。さらに、ヒメウキクサについて、野外で開花が認めれれたものを系統として樹立し、2倍体アオウキクサとともに、ロングリードシーケンスによるゲノム解読を進めている。 イボウキクサから単離したFT遺伝子のシロイヌナズナ誘導系を作出し、機能解析を進めている。アオウキクサのFTに比べ、誘導能が低下しているという結果が得られており、これは当初の予想に合致している。一方で、イボウキクサ種内のアレルについては表現型に大きな差は見られておらず、詳細な解析が必要と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム解析を進め、複数種において、詳細な比較が可能なデータセットを準備できている。RNA-seqについて、多検体でのサンプル処理システムを準備中であり、来年度前半には実施できる見込みである。2倍体アオウキクサの純系系統を作出し、ゲノム解読を進めている。また、シロイヌナズナへの形質転換によるFTの機能解析も問題なく遂行できている。以上から、順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
アオウキクサ属以外のウキクサに対して、日周トランスクリプトームを実施し、発現データを加味してFTの多様性解析を行う。同定されたFT遺伝子をクローニングし、シロイヌナズナへの形質転換を進めていく。 また、得れれたトランスクリプトームデータを用いて、高精度のアノテーションを作成し、ウキクサ亜科全体での比較ゲノミクスの基盤を構築する。
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Causes of Carryover |
ゲノムシーケンス用の植物の準備が間に合わなかったため、当該の費用分を次年度に繰り越した。
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Research Products
(7 results)