2023 Fiscal Year Research-status Report
概日リズム位相変化の光曝露タイミング依存性は年齢によって変化するのか?
Project/Area Number |
23K14278
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
江藤 太亮 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部, 特別研究員 (20929822)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 年齢差 / 概日リズム / 光 / メラトニン / 位相反応曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、子ども・若年成人・高齢者それぞれにおいて概日リズムの位相反応曲線(PRC: phase response curve)を調査し、年齢差があるかどうかを明らかにすることを目的としている。 PRCに年齢差があった場合に、その差が何によって生じたかについて検討するための変数として、メラノプシン由来の瞳孔反応(post-illumination pupil response: PIPR)を導入することを検討していた。メラノプシンは、概日リズムの光調節作用やメラトニン分泌の光抑制作用などの光の非視覚的作用に主立って寄与すると考えられている視物質で、網膜内の神経節細胞に発現する。PIPRを正確に測定することは、PRCの年齢差について検討する上で重要となるため、本年度は、PIPRを光に対する瞳孔反応を正確に測るための光学システム(Maxwellian-view system: MV光学系)の構築に取り組んだ。 また、一般的に概日リズム位相の指標となるメラトニンの分泌開始時刻(DLMO: dim light melatonin onset)を測定する際は、生体サンプル(本研究では唾液サンプル)の一定間隔、複数回の採取が必要であるが、被験者の属性によっては、例えば子どもにとっては負担が大きい。そこで、3点(夕方、夜、朝)のサンプリングでもDLMOが推定可能な方法論の構築を進めた。結果として、一定の精度でDLMOの推定が可能であることが示された。子どもにおけるDLMO推定に関する研究成果は査読付き論文として公開されている。 その他、関連研究の成果を国外、国内学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
若年成人におけるPRCを測定するための実験が、人的なリソース不足により実施できていない状況にある。一方で、PRCの年齢差の発生要因に言及する際に必要となる光に対する瞳孔反応PIPRを正確に測定するための光学系を構築し、また、子どものPRCを作成する際に有用となり得る、少ないサンプリング点で概日リズム位相を推定する方法を構築するなどした。PRC測定のための実験が実施できていない点で、当初の予定より遅れが見られるが、周辺技術の整備は進んでいるため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
若年成人におけるPRCを測定するための実験を実施する。その後、結果を解析し、先行研究で示されているPRCと一致するのかどうかを検証する。さらに、他の年齢集団(子どもや高齢者)においても同様のPRCが測定されるのかどうかを検証する。
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Causes of Carryover |
本年度はPRC測定実験に向けた周辺技術の整備に主に予算を費やした。そのため、旅費や謝金に充てる予定だった予算が次年度使用額として残った。次年度は実験やその成果発表、情報収集等により学会参加を行うため、その予算として使用する。
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