2023 Fiscal Year Research-status Report
ホログラフィック顕微鏡技術で送受信する,学習内容のマウス間転送プロジェクト
Project/Area Number |
23K14288
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷隅 勇太 名古屋大学, 医学系研究科, 学振特別研究員(PD) (40962931)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 2光子顕微鏡 / オプトジェネティクス / ホログラフィック顕微鏡 / 感覚皮質 / 連合学習 / セル・アセンブリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「学習に伴う神経動態を検出し,更に他個体脳で再現することで,学習機能の情報転送実現および単位抽出を行う」ことである.具体的には,神経計測をしながら,個々の活動をミリ秒スケールで操作可能なホログラフィック顕微鏡技術を用いることで,局所回路の時空間活動パターンと動物の行動との因果関係を解明する.そして,特定の行動と,人工的に発生させた時空間活動パターンを連合学習させた後,活動パターンを規則的に崩すことで,知覚成立に必要な活動要素の時空間分解能を明らかにする.更に,個体間でこの活動要素を段階的に転送する実験系を確立し,受け手-動物側の知覚学習プロセスを定量することで,高次知覚学習を成立させるための必要十分要素を解明する.これにより,動物の学習機能や記憶能力の実態解明および検証手法確立が期待される.本年度は主に以下2項目に取り組んだ. 1) 感覚皮質における学習に関連した神経表象を調べるための行動タスクシステムの拡充.2光子顕微鏡下において,頭部固定マウスが自由歩行可能な器具を中心に,ヒゲへの感覚刺激・音刺激・視覚刺激・匂い刺激・痛み刺激を特定タイミングでかつ複合的に実施可能なハードウェアおよびソフトウェア開発を行った. 2) マウス感覚野の神経回路活動を計測・解析および操作する基盤の拡充.効率的な神経活動操作を実現するために,様々なウイルス発現方式を検討し,活動操作実験系における現時点で最適な手法を確立した.さらに,高時間分解能イメージングデータ取得や行動・神経解析環境を拡充させた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はニューロン活動操作条件の検討に注力し,最適なウイルス発現条件を確立できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,高時間分解能イメージングデータ取得や行動・神経解析環境を拡充させてきたため,これらを駆使して感覚連合機能の時系列則を調べる行動操作研究について推進させる. 加えて,イメージング視野内の多数の細胞を自動抽出し,個々の細胞特性を網羅的に調べる系の開発も行ったため,感覚皮質の局所回路における集団活動則の解明に繋がる研究に引き続き取り組む.
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