2023 Fiscal Year Research-status Report
デュアルイメージング法によるマスト細胞の即時性サイトカイン分泌制御機構の解明
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23K14340
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
横川 慧 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (40804406)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生物発光イメージング / マスト細胞 / ガウシアルシフェラーゼ / 開口分泌 / エキソサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー性疾患は国内外問わず急増しており、その発症と増悪には免疫細胞の1種であるマスト細胞が重要な役割を果たすことが知られている。申請者は、抗原刺激前から細胞内顆粒に封入されている炎症性サイトカインTNFαとIL4に着目し、発光酵素Gaussia Luciferaseを付加した融合タンパク質発現プラスミドを構築し、マスト細胞に発現させ、分泌タンパク質の生物発光イメージング法を用いて抗原刺激に伴うマスト細胞の脱顆粒の観察を行い、サイトカインによる分泌の違いについて明らかにした。今年度は、マスト細胞の脱顆粒制御機構の詳細を解明するため、独自性の高い発光・蛍光マルチモーダルイメージング法を用いて脱顆粒反応における細胞内外の分子動態の解明に取り組んでいる。はじめに、蛍光・発光マルチモーダルイメージングを実施するため、細胞の骨格形成に関わるアクチンに着目し、生細胞のF-アクチンプローブとして広く使用されているLifeactと赤色蛍光タンパク質mScarletを付加した融合タンパク質発現用プラスミドを作製した。作製したプラスミドをマスト細胞株RBL-2H3細胞に一過性に導入し、細胞内での発現とマルチモーダルイメージングシステムでの可視化を実施した。また、細胞内カルシウムイメージングを実施するため、異なるKd値を示す赤色蛍光カルシウム蛍光指示薬を用いてマルチモーダルイメージングの実施を進めている。しかし、連続的にレーザー照射を行っているため、光毒性・退色が課題であり、撮影条件の検討を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
講座内人員の欠員による講座内・学内業務の大幅な増加のため、研究時間の確保が困難であったため、研究の遂行がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
マルチモーダルイメージング法を用いた細胞内外の分子動態の観察と各種阻害剤を用いた細胞の機能変化の解析。
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Causes of Carryover |
講座の在庫試薬を効率的に使用したことと、実験条件を検討している段階で研究成果の発表に至っておらず、旅費等の支出がなかったことが理由に挙げられる。 次年度は、本格的にマルチモーダルイメージングを用いたマスト細胞の分泌制御機構の解明に取り組むため、試薬関連の新たな支出が増えることが見込まれる。また、得られた研究成果は積極的に発表し、各種経費を使用する予定である。
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