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2023 Fiscal Year Research-status Report

細胞内局所特異的なタンパク質分解技術の開発

Research Project

Project/Area Number 23K14344
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

佐藤 和佳  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任研究員 (80967274)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2025-03-31
Keywordsタンパク質分解 / SNIPER / PROTAC / エストロゲン受容体
Outline of Annual Research Achievements

①蛍光タンパク質を発現するレポーター細胞株の樹立
CRABP2標識iRFP670, GFPにNES(核内移行シグナル配列)、NLS(核外輸送シグナル配列)を付加した発現ベクターを作製した。まずはこれら発現ベクターをHT-1080細胞に導入し目的通りに核、細胞質にこれら蛍光タンパク質が発現することを、蛍光顕微鏡を用いて確認した。次に、これら蛍光遺伝子を発現するレンチウイルスを作製し、HT-1080細胞に感染させ、蛍光を指標にセルソーターを用いて細胞を回収し、安定発現細胞株を樹立した。
②細胞局所におけるユビキチンリガーゼ遺伝子の発現確認
NES,NLSを付加したユビキチンリガーゼ発現ベクターを作製した。これら発現ベクターをHT-1080細胞に導入し目的通りに核、細胞質にユビキチンリガーゼが発現するかを確認したところ、NESを付加したものは細胞質に局在したが、NLSを付加したものは核に局在せず、核近傍に局在していた。そのため、ユビキチンリガーゼのN末端にヒストンタンパクの遺伝子を融合させた発現ベクターを作製し発現を確認したところ、目的通り核に局在することを確認した。また、既に分解活性を確認しているSNIPER/PROTACを用いた基質の分解誘導を指標に、これらユビキチンリガーゼが野生型と同様にリガーゼ活性を有することを確認した。
③SNIPER/PROTACによる蛍光タンパク基質の分解誘導効果の検証
新たに合成したSNIPER/PROTAC(CRABP)が分解活性を有するかを確認するため、HT-1080細胞を用いて野生型ユビキチンリガーゼを一過性に発現させ、SNIPER/PROTAC(CRABP)を処理したときの内在性CRABP2の分解誘導効果を評価した。その結果、ユビキチンリガーゼ発現細胞で、SNIPER/PROTAC(CRABP)処理によりCRABP2の分解が亢進することを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究を遂行するために不可欠な条件である、分解基質を核、細胞質に安定発現する細胞株を樹立すること、核、細胞質それぞれにユビキチンリガーゼを発現すること、分解活性を有するSNIPER/PROTACを合成すること、をすべて完了している。したがって、これらを用いて本研究の目的である、局所特異的なタンパク質分解のコンセプトが証明可能かどうかを検証する準備が十分に整っている。

Strategy for Future Research Activity

①CRABP2標識蛍光タンパク質の細胞内局所特異的な分解誘導効果の検証
まずCRABP2-GFP-NESまたはNLS安定発現細胞を用いてユビキチンリガーゼを核、細胞質に発現させ、SNIPER/PROTAC(CRABP)を処理したときに蛍光基質、ユビキチンリガーゼが同一の局在性を示す場合にのみ、分解が誘導されるかどうかをウエスタンブロッティング, 蛍光プレートリーダーを用いて定量、評価する。次に、SNIPER/PROTAC(CRABP)による局所特異的な分解を同一の細胞内で比較するために、核、細胞質にそれぞれiRFP670, GFPを発現させた細胞株を樹立する。この細胞を用いて同様に核、細胞質にユビキチンリガーゼを発現させ、SNIPER/PROTAC(CRABP)処理したときの核、細胞質それぞれにおけるiRFP670, GFPのタンパク質量の変化を比較、検証する。
②エストロゲン受容体(ER)の細胞内局所特異的分解誘導と、局所特異的機能解析
これまでにERの特異的分解誘導を目的として開発されたSNIPER(ER)の、ER結合リガンドであるヒドロキシタモキシフェンを組み込んだSNIPER/PROTACを新たに作製する。①と同様にしてユビキチンリガーゼを発現させることで、核、細胞質それぞれにおけるSNIPER/PROTACのER分解誘導効率の比較、検証を行う。また、局所特異的にERを分解することで、局所特異的なERの転写活性、下流のシグナル活性に与える影響を解析する。

Causes of Carryover

本研究で用いるSNIPER/PROTAC(CRABP)の合成に想定よりも時間がかかってしまい、そのため当初の計画よりも準備期間が延びてしまったことが原因である。今回新たに作製したCRABP2標識蛍光タンパク質が目的通りにSNIPER/PROTACによって分解されるかどうかを検証するにあたっては、SNIPER/PROTACのリンカーの長さなどの条件検討が必要になる可能性があるため、次年度使用額はその検討のために充当する予定である。

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Published: 2024-12-25  

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