2023 Fiscal Year Research-status Report
Ataxin-2の機能破綻が2型脊髄小脳変性症を引き起こす分子メカニズムの解明
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23K14348
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
稲垣 佑都 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 助教 (70917947)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Ataxin-2 / ポリA鎖伸長 / ストレス顆粒 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに、2型脊髄小脳変性症原因因子であるRNA結合タンパク質Ataxin-2がポリAポリメラーゼPAPD4をリクルートすることにより、CyclinD1やTDP-43などのAtaxin-2標的mRNAの細胞質ポリA鎖伸長を引き起こし、翻訳を活性化することを明らかにした。また、Ataxin-2のC末端領域がAtaxin-2のポリA鎖伸長に必要不可欠であることも明らかにしてきた。本年度においては、Ataxin-2のポリA鎖伸長と神経変性疾患の一種である2型脊髄小脳変性症との関連性を明らかにするために、Ataxin-2の欠失変異体を用い、ストレス顆粒の形成について解析を行った。 その結果、Ataxin-2のポリA鎖伸長に必要不可欠なC末端領域がAtaxin-2のストレス顆粒の局在に関与していることを見出した。この結果は、Ataxin-2によるmRNAポリA鎖伸長がストレス顆粒の形成に関与している可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ataxin-2の生理機能である細胞質ポリA鎖伸長とストレス顆粒との関係性を示唆する結果が得られており、2型脊髄小脳変性症を引き起こす分子メカニズムの解明に一歩近づくことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度明らかにした知見も踏まえ、来年度の研究を進めていく。 また加えて、本年度に作製したポリグルタミン異常伸長したAtaxin-2の発現コンストラクトを用い、来年度も当初研究計画に準じて進めていく。
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