2023 Fiscal Year Research-status Report
末梢性 μオピオイド受容体の制御による抗腫瘍効果発現メカニズムの解明
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23K14362
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
濱田 祐輔 星薬科大学, 薬学部, 助教 (10806326)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | μオピオイド受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である今年度は、末梢性μオピオイド受容体の発現制御を行うための末梢の細胞種特異的なμオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの作製を行い、移植腫瘍の肥大化への影響について解析を試みた。はじめに、末梢神経や免疫細胞に発現するμオピオイド受容体の発現抑制を誘導するために、それぞれの細胞種特異的なCreドライバーマウスと、Cre存在下でμオピオイド受容体遺伝子の欠損が可能なFloxed-MORマウスを交配させ、末梢の細胞種特異的なμオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの樹立作製を行った。この作製したマウスについて、μオピオイド受容体遺伝子の発現抑制を確認したところ、特定サブタイプの末梢神経特異的にμオピオイド受容体遺伝子を欠損させたマウスでは、脊髄後根神経節や脊髄において特異的にμオピオイド受容体の発現抑制が誘導されており、一方で特定サブタイプのリンパ球特異的にμオピオイド受容体遺伝子を欠損させたマウスでは、標的リンパ球において特異的にμオピオイド受容体の発現抑制が誘導されていることを確認した。このように作製したμオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスを用いて、マウス由来肺がん細胞株の皮下移植による担がんマウスを作製し、腫瘍肥大化の変化について検討を行ったところ、特定サブタイプの末梢神経特異的にμオピオイド受容体遺伝子を欠損させたマウスでは、腫瘍肥大に顕著な変化が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
μオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの樹立において、Floxed-MORマウスやCreマウス等のセットアップを比較的速やかに準備することができたため、計画に準じて本研究を実施することができた。また、担がんマウスの作製や腫瘍肥大の評価などの条件設定も確立することができたため、比較的速やかに解析を行うことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、末梢の細胞種特異的なμオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの樹立作製を行い、腫瘍肥大の変化について解析を行うことが可能となった。次年度以降は、末梢の細胞種特異的にμオピオイド受容体を発現抑制させた際のがん細胞-免疫細胞相互作用に着目し、μオピオイド受容体の腫瘍免疫に対する影響について解析を進める予定である。特に、免疫細胞の動態を解析するためには、FACS法などの生化学・分子生物学的手法などの応用が必要であるため、実験条件のセットアップを行う。また、がん細胞上のμオピオイド受容体も腫瘍免疫に関して機能する可能性があるため、μオピオイド受容体欠損がん細胞の樹立作製を行い、個体移植実験や分子細胞学的解析を進める必要がある。
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Causes of Carryover |
調達方法の工夫などにより、投与の計画より経費の節約ができたため。次年度以降に免疫細胞解析用試薬等の研究材料費の必要性が見込まれるため、次年度に繰り越すことでより研究が進展することが見込まれる。
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