2023 Fiscal Year Research-status Report
鼻から脳への低・中分子分布評価と脳内活性化ミクログリア炎症機構の解明
Project/Area Number |
23K14391
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
福田 光良 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 助教 (40964292)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | Nose-to-Brain / ミクログリア / 薬物動態 / 脳内移行性 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに、分子量5,000のイヌリンの経鼻投与は、鼻腔から脳への直接輸送経路を介することにより、静脈内投与と比較して脳への移行性を増大させることを明らかにしてきた。一方、脳の病変時における薬物の病変部位への集積と治療効果の関連性を評価するには至っていなかった。本研究では、経鼻投与を用いて脳内の炎症部位に集積した活性化ミクログリア細胞へ低・中分子化合物を選択的に届け、中枢神経系疾患に関与する神経炎症メディエーターの制御機構を明らかにすることとした。研究初年度(2023年度)は、脳梗塞モデルマウスにいくつかの候補化合物を経鼻投与することによって、静脈内投与と同等な脳梗塞抑制効果を示すことを明らかにした。現在、脳梗塞抑制効果を示した候補化合物が活性化ミクログリアの分子メカニズムに及ぼす影響について解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の遅延は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後に生じた新型コロナウイルスおよび季節性インフルエンザの同時流行に伴う、ひっ迫した発熱外来の業務対応を行ったためである。度重なる臨床への応援要請が本研究エフォートの低下に起因したと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はマウス由来ミクログリア細胞を用いて、炎症抑制効果を有する候補化合物の有用性についてRT-qPCRを用いた炎症性サイトカインに関わるmRNA発現量から活性化ミクログリアの分子メカニズムを解析する。また、2年目以降に薬物動態学的解析から候補化合物の脳梗塞部位への分布メカニズムの解明につなげたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症および季節性インフルエンザの同時流行による臨時の業務対応に起因した本研究の遅延が、次年度使用額を生じさせた理由である。2024年度に実施予定のin vivoならびにin vitro実験によって使用する。
|