2023 Fiscal Year Research-status Report
交感神経系により進行する心臓リモデリングにおける、TRPM7チャネルの役割の解明
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23K14441
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
平石 敬三 福岡大学, 医学部, 助教 (60896413)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 生理学 / TRPチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓リモデリングは不整脈や心不全を増悪し、予後の悪化を引き起こす重要な病態である。しかし心筋細胞や心臓線維芽細胞における心疾患の亢進メカニズムについては不明な点が多く、有効な治療方法がいまだ十分に確立されていない。我々は、交感神経系に作用し心臓リモデリングに関与する3’,5’-cyclic adenosine monophosphate (cAMP)を介した関連シグナル伝達と、Transient receptor potential (TRP) チャネル蛋白質スーパーファミリーの一つであり、心疾患等の病態生理に関与するTRPM7チャネルとの関連やその役割について評価し、心不全の新規治療方針を確立することを目的として下記の通り研究を行った。 (1) 出産後3日目の新生児ラットより心室を取り出し、新生児ラット由来心室筋細胞および心臓線維芽細胞の単離を行った。より研究目的に沿った細胞を得るための条件検討を行った。これにより、我々が目的とする実験に十分量使用できる初代細胞を安定して採取する手法を確立した。 (2) 新生児ラット由来心室筋細胞および心臓線維芽細胞に、cAMPを介したシグナル伝達を活性化させる薬剤での刺激を行った。このときのTRPM7チャネルの発現や局在に対する影響を、ウェスタンブロットや蛍光免疫染色、リアルタイムPCRにより評価した。 (3) 成体マウスおよびラットより心筋細胞を単離するためのシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連するシグナル伝達分子やサイトカインへの影響などの評価のための条件検討に想定したより時間を要しているため、やや研究の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究について下記の通り推進していく予定である。 (1) ラットおよびマウス由来の心筋細胞や心臓線維芽細胞において、cAMP関連シグナルの、TRPM7チャネル機能および発現への影響を評価する。 時間を要しているin vitro実験の条件検討については、線維化やアポトーシス関連分子を中心に集中的に進める。 (2) 心筋細胞および心臓線維芽細胞において、TRPM7チャネル過剰発現や発現抑制、阻害剤が、cAMP関連シグナルへ与える影響を評価する。 (3) 心疾患モデル動物を作成し、TRPM7チャネル阻害薬の心疾患発症への影響を評価する。モデル動物の作成や、摘出組織の評価実験のための準備を早期に開始する。
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Causes of Carryover |
関連するシグナル伝達分子やサイトカインへの影響などの評価のためのin vitro実験の条件検討に想定したより時間を要しているため、やや研究の進行が遅延している。次年度に線維化やアポトーシスに関連する分子の影響評価をin vitro実験及びin vivo実験にて集中的に進める計画であり、そのために本年度予算を使用する予定である。
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