2023 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージNCX1輸送制御に基づく血管新生機序の解明
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23K14448
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
篠田 康晴 福岡大学, 医学部, 講師 (70806405)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 末梢動脈閉塞障害 / マクロファージ / NCX1 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢動脈閉塞性疾患は、重症下肢虚血に伴う微小血管血行不良により下肢切断に至るケースが多く、生命予後も悪い。近年、単球・マクロファージの活性制御を介した血管新生療法が注目されているが、その分子基盤や虚血時のマクロファージ制御系の知見は乏しい。最近、我々はマクロファージ特異的なNCX1欠損/高発現マウスを用いて「血管形成およびリンパ管形成にマクロファージNCX1が関与している」ことを示す知見を得た。本研究の目的は、マクロファージ特異的NCX1欠損/高発現マウスを血管・リンパ管新生制御モデルとして応用して、末梢動脈閉塞性障害を実験的に誘導し、血管形成およびリンパ管形成におけるマクロファージの活性制御機構および病態学的意義を明らかにすることである。当該期間中、我々はマクロファージ特異的NCX1欠損/高発現マウスを用いて、下肢大腿動脈を結紮することで末梢動脈閉塞性障害モデルを作製し、結紮後の血管新生による側副血行路形成に伴う血行再建評価を行った。その結果として、マクロファージ特異的NCX1欠損/高発現マウスにおいて血行再建(側副血行)が影響を受けることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題で使用するマクロファージ特異的NCX1欠損/高発現マウスは、当該期間以前に作出していたことから、末梢動脈閉塞性障害モデル動物の作製および血行再建評価などの実験を速やかに開始することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、我々はマクロファージ特異的NCX1欠損/高発現マウスにおいて、末梢動脈閉塞性障害後の血行再建(側副血行)が影響を受けることを見出した。今後は、下肢血管数の評価などのさらなる解析のほか、これらのマウスにおける病態のメカニズムについて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当該期間において、野生型マウスを用いて病態(結紮)モデルを作製し、可能であればNCX1阻害薬投与の効果を検討する予定であったが、現在のところ実施できてない。本実験にかかわる動物や試薬の購入費等を次年度使用額として計上し、購入・実施する予定である。
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