2023 Fiscal Year Research-status Report
Fanconi anemia経路に着目したiPS細胞における高レベル複製ストレスの原因解明
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23K14452
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牟 安峰 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (20894455)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | Fanconi anemia / FANCD2 / UBE2T / 複製ストレス / ゲノム不安定性 / iPSC |
Outline of Annual Research Achievements |
ファンコニ貧血(Fanconi anemia: FA)はDNA修復を担うFA経路の遺伝子変異によるまれな遺伝性の難病で、先天奇形・高発がん・骨髄不全などの症状を特徴とする。FA患者からのiPS細胞樹立は困難であり、その増殖維持にもFA経路は必須である。iPS細胞以外のがん細胞・正常細胞では、FA経路は増殖に重要だが決して必須ではない。これは、iPS細胞における高いレベルの複製ストレスと、FA経路が複製ストレス解除に必須であるためと解釈されるが、その詳細な分子機構は不明である。本研究の目的はiPS細胞におけるFANCD2の機能解明と、iPS細胞における高レベル複製ストレスの原因解明である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPS細胞を用いてDOXによって誘導可能なCSIV-OsTIR1(F74G) レンチウイルスを用いて細胞を作製した。しかし、高濃度のAuxinの添加後にウエスタンブロットを実施したところ、FANCD2の完全消失にはいたらなかった。さらに、FANCD2のN末端にdTAGをKnockinを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞を用いてFANCD2のC末端に3xFlag-mAIDをknock inし、N末端にFKBP-VをKnockinし、AuxinおよびdTAG両方を添加することで、FANCD2を消失させる。この細胞を用いて、FANCD2を消失させ、その過程で生じてくる現象(おそらくは増殖停止と細胞死)を観察する。細胞死の様相、細胞周期への影響、RAD51、RPAなどのフォーカス形成などを解析する。場合によっては、この状況下でRPAのChIP-seqなどを行うのが有効である可能性もあり、検討する。
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Causes of Carryover |
Auxin単独でFANCD2を消失させることはできなかったため、iPS細胞を用いてFANCD2のC末端に3xFlag-mAIDをknock inし、N末端にFKBP-VをKnockinし、AuxinおよびdTAG両方を添加することで、FANCD2を消失させることを試みる。モデルiPS細胞を用いて分化系やChIP-SeqなどによるFANCD2の機能を調べる予定である。
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