2023 Fiscal Year Research-status Report
MYC, MAXの発現のバランスからとらえるDLBCLの腫瘍免疫制御機構と新規治療法の開発
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23K14481
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
山下 高久 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60464749)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | MYC / MAX / 腫瘍免疫微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性リンパ腫、とくにびまん性大細胞B細胞リンパ腫 (DLBCL) の重要なドライバー遺伝子である MYC はその転写活性を最終調節する会合分子である MYC associated factor X (MAX) と発現のバランスをとりながら、多数の分子の発現を調節している。MYC と MAX は腫瘍細胞と周囲の免疫担当細胞との免疫応答 (腫瘍免疫) に重要な主要組織適合性複合体 (MHC) の発現を制御することが知られている。MYC と MAX の発現バランスから MHC の発現制御機構を調べることで、DLBCL の腫瘍免疫の制御機構の解明につながると考えられる。現在までに MYC については病理組織標本から遺伝子再構成、蛋白発現量、mRNA発現量、リン酸化蛋白発現量の解析を行い、おのおのの解析は終了している。同時に腫瘍周囲、腫瘍内の免疫担当細胞の浸潤量を免疫染色を用いて検討している。さらに現在、DLBCLのリンパ腫の遺伝子変異パネルを作成し、NGS を使用して、DLBCL の分子基盤の同定を試みている。現在までに約300例の DLBCL の分子基盤が同定されている。これらを統合的に解析することによって、より詳細な MYC, MAX における腫瘍微小環境の調節機構がわかると期待される。 本研究の内容については 2024 年 6 月に開催される第 64 回日本リンパ網内系学会総会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に解析が行われており、その結果として学会発表を行うことが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、遺伝子変異パネルでの解析を行っており、詳細な腫瘍免疫微小環境の調節機構が解明につながることが期待できる。
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Causes of Carryover |
順調に解析は進んでいるが、実際購入した物品代が予定されていた代金よりも安かったためと思われる。今後は遺伝子変異パネルを使用したNGS解析を継続していく予定である。
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