2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of a novel subgroup of anaplastic thyroid carcinoma by large-scale cohort and comprehensive genetic analysis
Project/Area Number |
23K14493
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大舘 徹 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (20813249)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 甲状腺 / 未分化癌 / 濾胞癌 / 乳頭癌 / 遺伝子変異 / エクソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
甲状腺未分化癌はその希少性からまとまったコホートを形成することが困難であり、大規模な遺伝子解析のデータは少数の研究グループから示されているのみである。従来の研究の多くが未分化癌全体の遺伝子プロファイルを明らかにする事を目的としており、特殊な未分化癌群に関する知見や個別の遺伝子異常群における臨床病理学的特徴の解明などの未分化癌サブグループ群に対する研究はあまり行われてこなかった。本研究では、大規模コホートを用いることで、未分化癌の希少サブグループの解析を行い未分化癌全体に関する分子病理学的な知見を一層深めることを目的とした。 今年度は、未分化癌希少サブグループの一つである濾胞癌から生じた未分化癌症例に注目した。収集したコホート内に濾胞癌から進行した未分化癌の8症例を見出した。それらの症例に対して未分化癌および濾胞癌の成分から核酸を抽出しエクソーム解析を行なった。また、対照として11例の乳頭癌から生じた未分化癌について遺伝子パネルを用いたターゲットシークエンスまたはエクソーム解析を行なった。エクソームではそれぞれの症例で正常部および腫瘍部のシークエンスを行い、合計50例の検体に対してシークエンスを行なった。現在までにシークエンスおよび遺伝子変異に関するデータの解析までは終了しており、研究の核となる遺伝子変異プロファイルの概要についての知見を得ている。これらのデータは濾胞癌から生じる未分化癌の遺伝的特徴を明らかにする上で重要なデータと考えられ、今後の分子標的薬を用いた未分化癌治療に関して基礎的なデータを与えるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトでは研究の過程を成果が見込みやすい順にSTEP1からSTEP3に分類しSTEP1から順に実施していく方針を取っている。今年度はSTEP1に関して研究の中心となるデータを収集することができた。当初の予定通り、残り1年でstep 1の成果を出せるよう今後は研究成果を論文化していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行している濾胞癌-未分化癌に関する研究では、現在有しているデータをまとめるとともに研究の価値を高めるための付加的データについても解析、収集していく。具体的には遺伝子変異の情報だけに限らず、コピー数変化や腫瘍内クローン進化に関するデータについてもすでに得られたエクソームの結果から解析をしていくことを考えている。
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