2023 Fiscal Year Research-status Report
進化的に隠されたアロステリック部位の探索方法確立と抗菌薬開発への展開
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23K14525
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
西田 優也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (10793440)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アロステリック創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
アロステリック創薬は、特異性が高く副作用が少ないことが期待される一方で、標的部位の特定や作用機序の解明が困難であり、創薬手法として問題があった。本研究では、タンパク質立体構造において “進化の過程で包埋される部位にはアロステリック部位が存在している” という申請者の独自仮説に基づき、アロステリック部位の合理的な探索方法の確立を目指して研究を行った。 病原菌由来一酸化窒素還元酵素のアロステリック作用部位を計算科学的手法で探索し、これまでに申請者が研究を進めた “進化の過程で包埋される部位にはアロステリック部位" に加えて、複数のアロステリック作用部位候補を同定した。計算科学的にそれぞれの部位に対する作用リガンド候補ペプチドをデザインし、計算上これまでよりも優れた作用リガンド候補を複数獲得した。現在はデザインした作用リガンド候補の発現・精製を行っている。今後はそれら作用リガンド候補と標的酵素との相互作用解析や、酵素活性への効果を検証する。また、優れたヒットリガンドが得られれば、リデザインによるさらなる活性の向上を行うとともに、複合体構造解析や病原菌への作用を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アロステリック部位の同定とその作用リガンド候補のデザインに計画よりも時間がかかり、実際の実験検証が現在進行中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在精製中のアロステリック作用リガンドの効果 (結合能、酵素活性への作用)を検証する。ヒットリガンドが得られれば、それらの改良を行うとともに、複合体構造の決定や病原菌への増殖阻害効果を検証する。
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Causes of Carryover |
計算実験 (アロステリック部位の探索とそのアロステリックペプチドのデザイン) に時間がかかり、実際にそれらのペプチドを作成し、標的酵素への効果を調べる実験が遅れたため。
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