2023 Fiscal Year Research-status Report
間質性肺炎合併関節リウマチに対するJAK阻害剤の安全性・有効性についての検討
Project/Area Number |
23K14549
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉川 紋佳 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (20850069)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 間質性肺炎 / JAK阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の前段階として、間質性肺炎合併関節リウマチ(RA-ILD)症例における生物学的製剤・JAK阻害剤治療の現状を関西他施設共同研究であるANSWERコホートデータを用いて解析し、2024年度の日本リウマチ学会で発表を行った。12種類のbDMARDs、5剤のJAK阻害剤が使用出来る現在においても、RA-ILD症例の24週後寛解達成率は0週時点で疾患活動性が低かったとしても、ILD非合併例と比較しDAS28-CRP・ESR、SDAI、CDAIどの評価項目においても低かった。 またRA-ILD症例において、24週時点でのbDMARDs使用群のDAS28寛解達成率は58.2%、JAK阻害剤使用群は84.2%であり、今後も安全性の配慮した投薬は必要であるが、JAK阻害剤使用でより早期の寛解達成を期待できる可能性があることが分かった。 本研究は、csDMARDsで治療するも効果不十分なRA-ILD症例に対し、bDMARDsではなくJAK阻害剤をfirstで導入する研究であるが、現時点で3例にJAK阻害剤を導入し、全例ILDを悪化させることなく3か月以内にエコー寛解を達成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
関節リウマチ診療ガイドライン2020、2024改訂において、csDMARDsを使用するも効果不十分例に対する追加治療はこれまでのデータ蓄積量、経済的な面などを考慮するとまだまだJAK阻害剤より生物学的製剤を先に導入することが実臨床において多いのが現状である。本研究はbDMARDsよりも先にJAK阻害剤を導入するという研究であるため、bDMARDsを導入するよりもJAK阻害剤を使用するメリットが高い症例が対象となるため、組み入れ症例が少ない状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
JAK阻害剤を導入出来た症例の経過は非常に良好であるため、安全にJAK阻害剤が導入出来ると判断した場合は本研究に参加頂けるよう説明を行う方針である。研究参加人数が予定通り達すれば、血清保存は行っているため臨床データの解析だけでなくサイトカインプロファイルの解析も同時並行で行う。
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Causes of Carryover |
参加登録症例が少なく、物品購入などをしていなかったため。今後、登録者数が集まれば解析用の物品を購入し、また学会発表などの必要な経費とする。
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