2023 Fiscal Year Annual Research Report
The possible influence of DPP-4 inhibitor in breast cancer progression via the autophagy induction
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23K14567
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
川北 恵美 島根大学, 医学部, 助教 (70835884)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | DPP-4 / DPP-4阻害薬 / オートファジー / 乳癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常乳腺上皮細胞(MCF10A)およびヒト・マウス乳癌細胞株(MCF-7, MDA-MB-231, 4T1)を用いて、DPP-4阻害薬(KR62436: KR)の48時間孵置実験を行い、DPP-4阻害がオートファジーへ与える影響をin vitroにて検討した。 Western blot法(WB)にて、DPP-4阻害薬孵置後の乳癌細胞では無投薬コントロールと比して、p62の蛋白発現低下、LC3Ⅱの発現増加を認め、オートファジーが誘導された。一方で、DPP-4阻害薬は正常乳腺上皮細胞のオートファジー関連蛋白の発現に影響を与えず、DPP-4阻害の意義は正常細胞と癌細胞では異なる可能性も示唆された。 また、DPP-4阻害薬で誘導された乳癌細胞のオートファジーは、mTOR阻害薬であるラパマイシン or メトホルミンの共孵置、HIF-1αのノックアウトによりキャンセルされ、mTOR/HIF-1α経路の活性化を介したオートファジー誘導機序が想定された。 次にアポトーシスへの影響を検討するため、WBにて細胞のcaspase-3/活性型caspase-3の発現を調べた。DPP-4阻害薬孵置後の乳癌細胞では、活性型caspase-3の発現が減少しておりアポトーシス抑制効果が示されたが、オートファジー阻害薬である3-メチルアデニンの共孵置によりキャンセルされた。これらの結果から、in vitro実験においてDPP-4阻害はmTOR/HIF-1α経路を活性化することで乳癌細胞のオートファジーを誘導し、細胞死抑制に寄与する可能性が考えられた。 これらの結果は第66回日本糖尿病学会で発表し、Cancers(Basal)誌に論文報告を行なった(doi:10.3390/cancers15184529.)。
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