2023 Fiscal Year Research-status Report
濾胞性ヘルパーT細胞の二面性に基づく悪性リンパ腫の腫瘍微小環境の本態解明
Project/Area Number |
23K14594
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長崎 譲慈 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (20955447)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 濾胞性ヘルパーT細胞 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 腫瘍微小環境 / T細胞疲弊 / 悪性リンパ腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)はその有効性が認められ広く臨床応用されているが、悪性リンパ腫に対する効果は十分ではない。不明点が多い悪性リンパ腫の腫瘍微小環境(TME)での濾胞性ヘルパーT細胞(TFH)の役割を明らかにし、新たな治療標的やバイオマーカーの同定、新規細胞概念の確立、悪性リンパ腫の本態解明に繋げる目的で本研究を遂行している。 今年度はTMEでのTFHの役割を明らかにし、TFHの細胞傷害性やexhaustion に関して新たな知見を見出した。まずはin vivoモデルを用いて腫瘍浸潤リンパ球 (TIL)のTFHのIFN-γやグランザイムB、IL-4やIL-21などを測定することでTFHの役割を評価した。TMEのTFHの中には従来型のCXCR5陽性PD-1陽性TFHに加え、グランザイムB分泌が亢進した細胞傷害性TFH様細胞が存在し、これらがLAG-3を高発現することを見出した。これらの細胞の実際の細胞傷害活性を検証するために、OT-IIマウスの脾臓からLAG-3陽性細胞傷害性TFH様細胞をソートし、OVA発現MHC-II発現MC-38細胞株とをin vitroで共培養した結果、実際に細胞傷害活性を有することが明らかとなった。さらに遺伝子発現解析の結果から細胞傷害性TFH様細胞がCD8陽性T細胞のterminally differentiated exhaustionに近い表現型であることを同定したため、その機能を評価したところ、細胞傷害性TFH様細胞はアポトーシスしやすく細胞増殖能が低下しており、抗PD-1抗体による反応性が低下していた。以上から、細胞傷害性TFH様細胞はCD8陽性T細胞のterminally differentiated exhaustionと細胞特性としても類似していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の予定してたマウスのTILを用いた腫瘍浸潤TFHの解析、並びにTFHの細胞傷害性とexhaustionに関する検証は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究により固形がんのTMEでTFHが直接的な細胞傷害活性を持って腫瘍を攻撃していることを明らかにし、さらに細胞傷害性TFH様細胞はCD8陽性T細胞におけるterminally exhaustionに該当することを明らかにした。次年度は悪性リンパ腫のTMEにおいて、従来のTFHと細胞傷害性TFH様細胞それぞれが果たす役割を明らかにする。In vivoモデルではMHC-IIを発現した悪性リンパ腫細胞を用いてそのTILの解析を行う。また、悪性リンパ腫の臨床検体を用いてその腫瘍微小環境を病理学的に検証することも予定している。
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Causes of Carryover |
購入済みの遺伝子改変マウスの納品の遅延に伴い、決済が困難であったため次年度使用額が生じた。次年度においても同実験動物の支払いに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] CD106 in tumor-specific exhausted CD8+ T cells mediates immunosuppression by inhibiting TCR signaling2024
Author(s)
Naoi Y, Morinaga T, Nagasaki J, Ariyasu R, Ueda Y, Yamashita K, Zhou W, Kawashima S, Kawase K, Honobe-Tabuchi A, Ohnuma T, Kawamura T, Umeda Y, Kawahara Y, Nakamura Y, Kiniwa Y, Yamasaki O, Fukushima S, Kawazu M, Suzuki Y, Nishikawa H, Hanazawa T, Ando M, Inozume T, Togashi Y.
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Journal Title
Cancer Research
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Stem-like progenitor and terminally differentiated TFH-like CD4+ T cell exhaustion in the tumor microenvironment2024
Author(s)
Zhou W, Kawashima S, Ishino T, Kawase K, Ueda Y, Yamashita K, Watanabe T, Kawazu M, Dansako H, Suzuki Y, Nishikawa H, Inozume T, Nagasaki J, Togashi Y.
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Journal Title
Cell Reports
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access