2023 Fiscal Year Research-status Report
HER2陽性胃癌のゲノム異常と微小環境に基づく抗HER2抗体薬物複合体の耐性機序の探索
Project/Area Number |
23K14597
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 享子 九州大学, 大学病院, 助教 (50896933)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | HER2陽性胃癌 / 抗体薬物複合体 / HER2変異 / 包括的がんゲノムプロファイリング |
Outline of Annual Research Achievements |
国立がん研究センターがんゲノム情報管理センターと契約し、国内で実施されたがん遺伝子パネル検査の結果を解析しました。 対象とする薬剤の投与を受けたHER2陽性胃癌の方114例を解析対象とし、薬剤の有効性と関連する腫瘍細胞のゲノム異常について解析を行いました。結果、特定の遺伝子群の異常を検出した腫瘍では、検出しなかった腫瘍と比べて、抗HER2抗体薬物複合体の効果が乏しいことが示唆される結果が得られました。これらの遺伝子の異常が、薬剤耐性(薬の効きにくさ)と関わっている可能性があります。今後、この結果の妥当性を検討するために、今回の解析とは別の患者集団でのバリデーションを行う予定としています。 また、本解析では同センターに集積された胃癌の方1450例の解析も実施しました。抗HER2抗体薬物複合体の薬剤耐性に関与するとみられる遺伝子群に病的変化のある腫瘍の臨床・病理学的特徴についても併せて解析を行っています。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
抗HER2抗体薬物複合体の臨床的効果とゲノム異常の関連について、解析が完了し論文発表の準備を進めている
|
Strategy for Future Research Activity |
今回の解析で得られた結果の妥当性(バイオマーカーとしての意義)を確認する目的で、別コホートでの解析を予定している。また、薬剤耐性との関与が示唆される遺伝子異常について、細胞株での解析を予定している。
|
Causes of Carryover |
本年度は主にデータ解析と論文発表の準備を進めたため、次年度以降でIn vitro, In vivoでの実験試薬の購入が必要になると考え、繰り越すこととした。
|