2023 Fiscal Year Research-status Report
VHH特殊抗体を利用した新規Radio-theranostics-DDSの開発
Project/Area Number |
23K14612
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾関 温子 東京大学, アイソトープ総合センター, 技術職員 (30780598)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | radio-theranostics / PET / VHH |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗体工学の容易さや生産の面などに多くの利点をもつVHH(Variable domain of Heavy chain of Heavy chain antibody)特殊抗体を用い、がんの診断と治療を一体的に行うradio-theranosticsプローブの開発を目的としている。 研究の初年度となる2023年度には、まずHer2陽性乳がんをターゲットとしたVHH抗体を作成してRIで標識する段階までの条件検討を行うこと、順調に進んだ場合は担癌マウスでのPET試験を行うことを目標としていた。目標通りにモデル動物での第一段階の評価を行うことができたため、”おおむね順調に進展”としている。 目的配列をもつDNAを合成し大腸菌内で増幅してタンパク質精製を行ったが、一部の配列が原因となって適切な立体構造をとれていないことが判明した。そこで、一部配列に変異を導入してタグをつけ、タンパク質精製の条件検討を繰り返し行った。また、PET診断用RIで標識し、その効率を確認したプローブについて、担癌マウスに投与してPET撮像を行った。投与直後から24時間後までのPET撮影と24時間後のbiodistributionの結果、腫瘍への集積は見られるが十分に高いとは言えず、腎臓への集積が非常に多いことが明らかとなった。2024年度は、腎集積を低減させ、腫瘍への特異性を向上させる方策について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Her2陽性乳がんをターゲットとしたVHH抗体を作成してRIで標識する段階までの条件検討を行うこと、順調に進んだ場合は担癌マウスでのPET試験を行うことを目標としていたが、目標通りにモデル動物での第一段階の評価を行うことができたため、”おおむね順調に進展”としている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、作成したプローブについて腎集積を低減させ、腫瘍への特異性を向上させる方策について検討する。また、VHH抗体に限らず、他のDDSシステムについても同時に検討を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は大阪で開催された核医学会総会に現地参加する予定でその旅費を計上していたが、子どもの体調不良により出張ができなくなってしまい、オンデマンドでの参加に変更した。そのため、旅費に未使用が生じている。
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