2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性活動性Epstein-Barrウイルス病新規治療標的分子の同定と治療薬開発
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23K14632
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
大橋 彩香 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60844371)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 慢性活動性Epstein-Barrウイルス病 / CAEBV / バイオマーカー / Flt3-L / Flt3 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性活動性Epstein-Barrウイルス病(CAEBV)の唯一の根治療法である造血幹細胞移植は、ドナーの有無、年齢、全身状態等の条件を満たした限られた患者にしか遂行できず、迅速な診断、病態解明と治療薬の開発は喫緊の課題である。CAEBV患者の血中には、IFN-γやIL-1β等のサイトカインが高濃度で存在し、CAEBVの病態と密接に関与していることを明らかにしてきた。一方で、CAEBVのバイオマーカーは依然不明であったことから、CAEBV患者血漿を用いたサイトカインのスクリーニングを実施した。Flt3-L濃度は、CAEBV患者血漿中で健常者と比較し有意に高く、疾患活動性と相関することを明らかにし、これらのデータを元にカットオフ値の設定を行った。さらに、CAEBV患者細胞より樹立したEBウイルス感染細胞株を用いて培養上清中のFlt3-L濃度を測定した。健常者血中よりも高濃度のFlt3-Lが検出された一方で、CAEBV患者血中濃度と比較し低値を示した。この結果から、Flt3-Lは、CAEBV患者血中のEBウイルス感染細胞だけではなく、EBウイルス非感染細胞からも産生されているのではないかと推測し、Flt3-L産生細胞を同定するため、sc-RNA seqを施行している。また、Flt3-Lの受容体であるFlt3阻害薬がCAEBV患者のEBウイルス感染細胞を含む末梢血単核球に対し、細胞増殖の抑制と、炎症性サイトカインの産生を抑制することも明らかにした。そこで、Flt3発現細胞についても、sc-RNA seqにより同定を行っており、病態の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
CAEBV患者血漿中のFlt3-L濃度の測定を症例数を増やして測定すると共に、健常者血漿中の濃度を測定し、カットオフ値の設定を行った。また、Flt3-L産生細胞と、Flt3発現細胞の同定にも着手しており、計画は順調に進んでいる。また、次年度以降の予定であった疾患活動性との相関など、Flt3-l濃度と病勢の関連解析も行っている。さらに、Flt3-L以外の液性因子についても、CAEBV病態を反映する因子として同定しており、そちらの解析も同時に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っているFlt3-L産生細胞と、Flt3発現細胞の同定を完了する。同定した細胞を用いて細胞内シグナルを明らかにし、病態の解明を行う。また、CAEBV新規治療薬としてのFlt3阻害薬の有効性を検討するため、CAEBVモデルマウスを用いて検証を行う。
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Causes of Carryover |
本年度からFlt3-L産生細胞とFlt3発現細胞の同定のためsc-RNA seqを実施しているが、次年度も引き続き解析を行うため。
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[Presentation] 慢性活動性EBウイルス病に対するアレムツズマブ の有効性の検証2023
Author(s)
大島久美 , 佐野文明 , 大橋彩香 , 宮部斉重 , 伏屋愛加 , 鈴木黎 , 上村悠 , 辻村浩司 , 清水則夫 , 今留謙一 , 新井文子
Organizer
第85回日本血液学会学術集会
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