2023 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病モデルマウスにおける抗老化分子SIRT1の認知機能障害進行抑制の検討
Project/Area Number |
23K14737
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
野中 和香子 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80865725)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 糖尿病性認知症 / 抗老化分子 / SIRT1 / 脳内炎症 / 糖尿病モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病と認知症には密接な関係があると疫学的に指摘されており、糖尿病がアルツハイマー病や脳血管性認知症の重要な発症要因であると考えられている。一方、抗老化分子として知られるサーチュイン(SIRT)は様々なストレス下で活性化し細胞保護的に作用する。SIRT1はインスリンの分泌や感受性に重要な役割を果たし、糖尿病合併症である心血管病や腎臓病に対し抑制的に働くことが見出されており糖尿病や合併症に対する重要な治療標的となりうると近年注目されている。これまで糖尿病モデルマウスにおいて、脳内のインスリン抵抗性の増大や糖代謝障害、認知機能障害をきたすことが知られており、脳内における酸化ストレスや炎症反応の亢進が指摘されている。 本研究では糖尿病における認知機能障害に着目し、糖尿病モデルマウスを用いて、認知機能障害の進展、脳におけるSIRT1活性の評価を行うことを目的とする。また、新規糖尿病治療薬であるイメグリミンはSIRT1遺伝子を活性化する薬理作用が想定されており、この薬剤を投与することにより糖尿病モデルマウスの認知機能およびSIRT1活性がいかに変化するかや小胞体ストレス・脳内炎症の変化について免疫組織化学的・生化学的に明らかにする。 本年度は使用する糖尿病モデルマウスの実験条件の設定を行った。この設定した実験条件をもとに、薬剤投与試験、Y-mazeを用いた認知機能評価を行う予定であったが、研究活動を中断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
想定以上に実験条件の設定に時間を要したこと、また研究代表者が妊娠にて体調不良となり研究活動を中断したため、当初の予定より研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降で妊娠、産休育休で進めることのできなかった実験を再開し、研究中断前に設定した実験条件をもとに、遅延している糖尿病モデルマウスでの実験を進め、Y-mazeを用いた認知機能障害進展の評価およびマウス脳内の抗老化分子であるSIRT1活性の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
妊娠にて体調不良となり研究活動に遅延が生じたため、次年度使用額が生じた。 次年度以降に本年度で遂行できなかった実験を行うための経費として繰越し、使用する予定である。
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