2023 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリアとレトロマーのクロストーク:パ-キンソン病の病態と新規治療探索
Project/Area Number |
23K14769
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 隼 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (60822905)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | レトロマー |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はパーキンソン病におけるレトロマー機能とミトコンドリアの関連について細胞を用いた実験系で、家族性パーキンソン病原因遺伝子であるDNAJC13の機能を中心に解析を行った。 ショウジョウバエモデルにおいては変異型DNAJC13による凝集αシヌクレインの報告があるため、まずは細胞モデルにおいてもこれが確認できるかどうかをSH-SY5Y細胞を用いて確認を行った。野生型および変異型DNAJC13を細胞に過剰発現し、αシヌクレインのタンパク量をウェスタンブロット法にて確認した。既報のショウジョウバエモデルではPBS可溶画分とPBS不溶画分・Triton可溶画分においてαシヌクレインのタンパク量の変化が確認されたが、細胞モデルにおいてはPBS可溶画分、PBS不溶画分・Triton可溶画分においてタンパク量の変化は確認できなかった。しかしながら、Triton不溶化k分・SDS可溶画分においては高分子側に凝集αシヌクレインを確認することができた。 また、COS7細胞に野生型・変異型DNAJC13を過剰発現させ、マンノース6リン酸受容体(M6PR)抗体を細胞に暴露し細胞形質膜のM6PRと結合させ、それが細胞内へ取り込まれト ランスゴルジ網(TGN)へ輸送されるか否かを免疫染色にて確認した。変異型細胞においてはTGNへの輸送障害を認めたが、細胞内部に抗体を確認できる細胞が少なく定量解析に至っていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞を用いた実験系において、変異型DNAJC13によるレトロマー機能障害を確認でき、概ね順調に進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はミトコンドリア障害を惹起するロテノンなどを用いてレトロマー機能などについて調べていく。
|
Causes of Carryover |
今年度は勤務日との兼ね合いもあり学会参加や一部の実験についても施行困難であったため次年度使用額が生じた。 来年度以降の消耗品などに支出する予定である。
|