2023 Fiscal Year Research-status Report
線条体区画構造を標的とした疾患モデル開発による神経疾患の病態解明
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23K14776
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥宮 太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (60868256)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 線条体 / ストリオソーム / iPS細胞 / in vivoイメージング / 神経修飾物質 / 病態モデル / DREADD / ジストニア |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類線条体は大脳基底核の主要な入力核であり、島状に分布するストリオソーム区画とその周囲のマトリックス区画で構成される。脳神経疾患に生じるジストニア等の運動異常症の発症には、線条体区画構造が関連する可能性が示唆されているが、病態メカニズムは十分に解明されていない。病態解明には、線条体区画構造の分子・機能異常を評価できる病態モデルが必要である。本研究の目的は、線条体区画構造選択的な神経活動操作・遺伝子操作が可能なマウスモデルとヒトiPS細胞由来の線条体区画構造モデルを用いて運動表現型に関連する変化を解析することで、運動異常症を生じる脳神経疾患における線条体区画構造の分子病態・機能異常を明らかにすることである。 2023年度は、ストリオソーム区画の神経活動異常による運動制御変化の神経回路基盤を明らかにするため、in vivoイメージングシステムを導入し、ストリオソーム神経細胞を人為的に活動操作しつつ、マウスに生じる運動異常とマウス線条体での神経修飾物質の動態を自由行動下で同時に解析できる実験系を構築した。また、運動異常症患者さんに由来するヒトiPS細胞から線条体区画モデルを作製するためには、線条体の投射細胞である中型有棘細胞への適切な分化誘導方法を開発する必要がある。ヒトiPS細胞から解析対象とする線条体神経細胞種への分化誘導効率を評価するため、線条体神経細胞種に特異的な標識を目指したベクターを複数設計し作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度以降の研究推進に必要な実験系の構築が実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に構築した実験系をもとに、マウスモデルを用いたストリオソーム区画選択的な神経活動操作・in vivoイメージングを行い、線条体ストリオソーム区画が運動異常症を生じるメカニズムの解明を目指す。さらに、ヒトiPS細胞由来の線条体区画構造モデルの実現に取り組む。
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Causes of Carryover |
一部の受注生産の消耗品について納期が想定よりも必要であったため
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