2023 Fiscal Year Research-status Report
自己誘発嘔吐を伴う摂食障害に対する反復性経頭蓋磁気刺激療法
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23K14805
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
稻川 優多 自治医科大学, 医学部, 助教 (40888046)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 反復性経頭蓋磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、すでに保有している磁気刺激機器であるNeuroStarでの二重盲検試験が困難であることが判明したため、二重盲検試験を実施するための機器選定を進めた。その後、複数の会社からの見積もりをとり、刺激機器であるMagPro R30と、偽刺激と実刺激の双方が可能なコイル(Cool-B70 A/P)の購入手続きを終えることができた。 新たな機器購入に伴い、磁気刺激条件に関して自由度が高まったこともあり、研究計画の見直しを行った。そこで、すでに摂食障害に対する磁気刺激の研究を推進している英国のKing's college londonの研究チームに連絡をとり、本研究計画に関して議論したところ、シータバースト刺激の有用性について助言をいただいた。その後、国内の各共同研究者とも協議を重ね、当初予定していた刺激条件である左側DLPFCに対する高頻度刺激を、DMPFCに対するシータバースト刺激へと変更し、患者負担の軽減と治療効果の両立を目指すこととした。 さらに、共同研究者との研究計画立案を並行して進め、磁気刺激前後での評価項目を臨床的な評価尺度のみならず、当院小児科・脳外科・小児画像診断部の協力によるMRIでの構造的・機能的評価、中央大学・北海道大学・日本女子大学の協力による認知課題検査を、研究計画の一つとして組み込むことができた。上記の研究計画をもとに、特定臨床研究実施に向けて、監査・モニタリングの依頼、二重盲検試験実施のためのREDCapシステム構築の手続きも進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな機器購入と、倫理申請に至るまでの研究計画立案から書類準備等に、想定以上の時間を要した。しかし、機器購入の手続きは終わり、中央臨床研究審査委員会の審査も2024年6月に実施される見込みであるため、来年度から対象症例のリクルートを開始できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は概ね完成されており、今後はいかにして症例数を確保できるかが課題である。本研究では54例のリクルートを目指しているが、当院の症例だけで満たすことはできないと考えられるため、2024年度以降は、学会・講演会・講座ホームページ等での広報活動にも注力し、北関東圏から広く対照奨励をリクルートできるよう努めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コイルCool-B70 A/Pの購入に2,600,000円要する見込みだったものの、納品と支払いが令和6年度になったため、同額の次年度使用額が生じた。残りの令和6年分の助成金は、磁気刺激機器であるMatPro R30の備品購入に充てる予定である。
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