2023 Fiscal Year Research-status Report
食道癌症例での間質性肺異常陰影(ILA):意義・病態解明と自動診断用AI開発
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23K14837
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
秦 明典 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10838600)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | CT / 間質性肺異常陰影(ILA) / 食道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
当施設での478例の食道癌患者を解析し、治療前精査時のCTで間質性肺異常陰影(Interstitial Lung Abnormality: ILA)の有無と予後との相関を検証した。また、治療合併症、死因についても調査した。 その結果、478例中86例にILAを認めた。また、5年生存率を調べた結果、COX proportional hazard modelにてILAは有意な予後不良因子であることが示された (hazard ratio [HR]=1.68, 95% confidenceinterval [CI]: 1.10-2.55, P=0.016) 。とくに、StageⅣB患者でILAが有意な予後不良因子であった (HR=3.78, 95%CI: 1.67-8.54, P=0.001).ILAを線維化性/非線維化性にわけたsubgroup解析では、線維化性ILAは有意な予後不良因子であった (HR=2.22, 95%CI: 1.25-3.93, P=0.006)。治療合併症についてはILAの有無で発生頻度に有意差は認めなかった。死因については、肺炎/呼吸不全死はILA群は非ILA群と比較して、有意に多かった(non-ILA, 2/95 [2%]; ILA, 5/39 [13%]; P=0.022) 。食道癌による死亡の頻度はILAの有無で有意差は認めなかった(non-ILA, 82/95 [86%]; ILA 32/39 [82%]; P=0.596)。 以上より、ILAは食道癌患者で有意な予後不良因子であり、適切な治療選択や肺炎予防処置の推進が必要であることが示された。この結果をまとめた論文がJapanese Journal of Radiologyにアクセプトされた(2024/03/18)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2023年度は食道癌患者の治療前精査時のCTでILAを検証し、ILAが予後不良因子であることを示し、論文化した。おおむね順調に推移しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降の計画としてAIを用いたILAの自動評価をする予定であるが、共同研究をしているグループと別のコホートを用いてILAの自動評価のAIを構築し、論文投稿中である。そのAIを今回の食道癌のコホートに適用し、そのAIの性能評価を行う予定である。評価のための画像抽出をすでに行った。共同研究のため、改めて倫理委員会の審査と共同研究先の調整が済み次第、AIの適用を行う予定である。2024年度以降の計画として挙げていた経過観察CT、FDGーPET画像との対比についての検討については、対象となる画像や具体的な評価項目について準備中である。
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Causes of Carryover |
AI開発用のデスクトップPCを予算に入れていたが、他の研究で同様のAI開発に携わることになり、AI用デスクトップPCの購入を保留した。開発したAIを今回の食道癌コホートに適用するためにPCを購入する予定である。また、残りの金額は学会発表のための旅費、ハードディスクなどの消耗品、論文の英文校正や投稿補助などに使用予定である。
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[Journal Article] Association between interstitial lung abnormality and mortality in patients with esophageal cancer2024
Author(s)
Akinori Hata, MD, PhD, Masahiro Yanagawa, MD, PhD; Tomo Miyata2, MD, PhD; Yu Hiraoka, MD; Motohiro Shirae, MD; Keisuke Ninomiya, MD; Shuhei Doi, MD; Kazuki Yamagata, MD; Yuriko Yoshida, MD, PhD; Noriko Kikuchi, MD, PhD; Ryo Ogawa, MD, PhD, Hiroto Hatabu, MD, PhD; Noriyuki Tomiyama, MD, PhD
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Journal Title
Japanese Journal of Radiology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research