2023 Fiscal Year Research-status Report
擾乱線量分布解析による乳がん高精度放射線治療の新たな治療戦略の開発
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23K14850
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
山内 遼平 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医学物理士 (00972184)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 乳がん / 放射線治療 / 堅牢性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は近年利用が増加している強度変調放射線治療(IMRT)の技術を乳がん術後放射線治療に安全にかつ適切に応用することを目的としている。乳がん放射線治療の際には、呼吸性移動や治療期間中の体形変化が生じることが知られており、治療計画の段階でそれらを考慮する必要がある。先行研究では、このような治療中の不確かさに関する評価は限定的であり、網羅的な評価は行われていなかった。そのため、研究期間では、従来用いられている仮想ボーラス法と呼ばれる手法を再評価するとともに、呼吸性移動や体型変化などの臨床時に起こり得る複数シナリオを、入力関数として治療計画シミュレーションを行うminmax最適化の実現可能性を評価する。 2023年度は、仮想ボーラス法の構成条件である密度、厚さ、PTVサイズとの関連について検討を進めた。これまでは、密度のみが行われており、PTV厚との関係や付加するVB厚が及ぼす影響については検証されていなかった。本研究では、それらを考慮した呼吸性移動による堅牢性の評価(治療計画装置上でアイソセンターシフトの大きさを変化させた)を行った。これにより、従来考慮されていなかった仮想ボーラス厚が堅牢性に重要な因子であることを明らかにした。 2024年度も継続して仮想ボーラス法の検討を進めるとともに、ファントムを用いた実測による検証を行っていく。また、minmax最適化についてもシミュレーション計算を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来法である仮想ボーラス法の再評価を行い、これまで検討されていなかった構成条件が堅牢性に及ぼす影響について明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータをもとに仮想ボーラス法の評価をまとめ、学会発表および論文投稿をおこなう予定である。minmax最適化についてもシミュレーション計算を行い、有効性の検証を行う。
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Causes of Carryover |
研究の進捗過程において、新たな知見や考慮すべき事項があり、より高い研究成果を得るため使用計画の変更が必要となった。 2024年度に2023年度分の使用を予定している。
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